企画:Mizuki Sikano [PR]
“ボカロPになってみたい!”そんな風に考える読者の皆さんのために、新世代のボカロPが、使用しているプラグインやおすすめのソフト音源をレビューする企画。サウンドチェックもできるので、ぜひ音楽制作のヒントをゲットしてほしい。
目次
三浦良明(ふたりごと)おすすめプラグインSOFTUBE Weiss MM-1
はじめまして。音楽ユニットふたりごとの音楽制作や、映像音楽の作編曲をしている三浦良明です。
ご紹介するプラグインは マスタリング用マキシマイザーのSOFTUBE Weiss MM-1です。レビューのお話をいただいてから使い始めたのですが、シンプルな見た目と操作感、かつ非常にクリアな音で精度が高いと感じています。今回は、デモ楽曲を用意して、その魅力をレビューしていきたいと思います!
SOFTUBE Weiss MM-1とは?
Weiss MM-1は、プロ用マスタリング用ハードウェアを手がけるWEISSというメーカー公認で開発されたプラグイン。最小限の調整でプロ級のマスタリングが実現するマスタリング・マキシマイザーです。僕は定番やAIを搭載しているなどさまざまなマキシマイザーを所有していますが、Weiss MM-1は音圧を入れても“ミックスの印象が崩れない”そして“歪まない”など破綻しにくいため、ミックスの音質を保ちながら音楽的にリミッティングできます。
特筆すべき点は、5つのスタイルのボタンで、リミッティングだけでなく“マスタリングの仕上げ”調整ができること。どれを選んでも余計な色付けがなく、デフォルメされないのが好印象でした。
【Transparent】5種類の中でスタンダードになっているような癖のないサウンド
【Loud】RMS値(音量のてっぺんであるピークではなく音量平均値を指す)が高めになる
【Punch】よりパンチのあるサウンドに
【Wide】よりワイドなサウンドに
【Deess】ディエッサーの効果で耳障りな音を軽減
【Amount】Styleの反映具合を設定できる【Parallel Mix】処理した音と元音を混ぜる
【Limiter Gain】ゲイン調整をする
【Output Trim】メーターの左上をクリックするとOutput Trimが表示。このリミッターで、マスター出力のピークを設定することができる。今回のデモには、-1.0 (Mastering for iTunes)を選択しているとのこと。
SOFTUBE Weiss MM-1サウンド・チェック
Weiss MM-1 のサウンドチェックをするにあたって、フューチャーベースのインスト楽曲を用意しました。まずは動画をご覧ください!
まずは、元の2ミックスに対して、マスターにWeiss MM-1をインサート。Limiter Gainを5dB上げ、styleはLoudを選択しています。音圧を入れてもミックスの印象が崩れず、嫌な飽和感もありません。
Weiss MM-1にある5つのStyleを比べてみる
次に5つのStyleを比べてみましょう。先ほど聴いていただいたフューチャーベースだけではなく、ダブステップのパートも用意したので比較しながら聴いてみてください!
【5つのStyle】
●Style Transparent
●Style Loud
●Style Punch
●Style Wide
●Style Deess
【Style Transparent】
5種類の中でスタンダードになっているような癖のないサウンド。 元のレンジ感を残したまま音圧を上げられる印象です。経験として、マキシマイザーで音圧を入れると派手で格好良くなる一方、中低域が持ち上がり(相対的に)高域が落ちて聴こえる現象に悩むこともあったので、2ミックスに色付けなく音圧を入れたい場合、Transparentモードは非常に使いやすいのではないかと思います。
【Style Loud】
RMS値(音量のてっぺんであるピークではなく音量平均値を指す)が高めになります。 分かりやすい言葉を使うと、“格好良さ”や“まとまり感”を得たい場合に試したいモードです。また、Transparentモードと比べると、ステレオ感が広がり、トランジェントもより感じられました。今回のデモのように、いわゆるデジタルミュージックにバッチリ合いますし、ロックやエピック系の音楽にもハマりそうだと感じました 。
【Style Punch】
名前の通り、“よりパンチのあるサウンド”になります。ステレオ感/トランジェントともに、前述した Transparentモードと loudモードの中間のように感じました。低域の“どっしり感”は、Punchモードが一番あります。
【Style Wide】
“よりワイドなサウンド”に。一般的なステレオイメージャーを凌駕するクオリティだと思います。ステレオイメージャーより3Dに近い立体感を感じました。“無理やり横に広げてる感”や、結果としてファンタムセンター(中央の音像)がぼやけるという現象も感じませんでした。ユーザー数の多い有名なプラグインでも“位相崩れ”や“奥に引っ込む”ような体験をしてきましたが、この Wideモードは前に出てきます……(笑)。
【Style Deess】
ディエッサーの効果で耳障りな音を軽減。ボーカルの歯擦音やハイハット/シンバルなどの高域が悪目立ちしている音源に対して、重宝しそうなモードです。このプラグインはマスターエフェクトとしての使用を想定されているかもしれませんが、ボーカルやドラムのステムにも合いそうだと思いました。
最後に
Weiss MM-1のサウンドレビューはいかがでしたか? 今回のデモ楽曲では、キックのトランジェントが少し物足りなく感じていたのでStyleはPunchが合う気がしましたし、Wideも派手な音像かつ自然な広がりでとても好みでした。
どんなマキシマイザーであれ、音圧を入れればそれなりに良く聴こえてしまう現象は実際あると思うのですが、Weiss MM-1 のような「上質な密度感」を得られるものはそう多くないと思いますし、それがプラグインでできてしまうことは本当に驚きました。この記事を通じて、Weiss MM-1 の魅力が伝わり、興味を持っていただけましたら幸いです!
SOFTUBE Weiss MM-1情報
■価格(DL版):オープン・プライス(市場予想価格:25,270円前後)
■URL:https://www.mi7.co.jp/products/softube/weissmm1/
【Requirements 】
■Mac:macOS Big Sur 11以降
■Windows:Windows 10/11
■共通:64ビット、iLokアカウント
■対応フォーマット:AAX/AU/VST/VST3
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