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ゼロから学ぶ

Text:Mizuki Sikano Stage Photo:超パーティー2022運営

2022年10月16日(日)の超パーティー2022に歌い手として出演した、お笑いユニットパーパーのほしのディスコ(33)。YouTubeで歌ってみた動画を投稿したことが人気の火種となり、現在はその独特な高音ボイスと表現力で、歌手としても芸人としても注目されている。今回は本番前に歌手としてスタンバイしている彼の心境、音楽の取り組み方、音楽に興味を持ったきっかけ、歌の練習方法や喉のケア方法まで幅広く語ってもらった。

ほしのディスコ(パーパー)インタビュー

僕メンタル弱い系なのでバラードが好き

―超パーティー2022の本番前にお話しお聞きしていますが、今の心境はいかがですか?

ほしのディスコ 緊張してますね。だから、入り時間を間違えて9時にさいたまスーパーアリーナへ来てしまって。

―今15時半ですから……かなり長いこといらっしゃいますね(笑)。

ほしのディスコ もう時間をかけて身体も心も整い切ってしまったというか、これから本番なんですけど、もう昼寝したいくらい。いつでも寝れるコンディションです(笑)。

―眠いのは我慢していただいて本番応援しています! では、今回歌唱するまふまふさんの「命に嫌われている」の選曲理由を教えていただけますか?

ほしのディスコ 昔からまふまふさんのボカロは聴いていたんですけど、やっぱりこの曲を初めて聴いたときにはすごい衝撃を受けて。歌詞が直接的というか、すごい強いインパクトがあって訴えかけてくる。聴いた後に、胸に響いてきますよね。それで『NHK紅白歌合戦』にまふまふさんが初出場で歌っているのも見て、自分も歌えるようになりたいなと。そこからちゃんと練習していった感じです。

―メッセージ性の強い楽曲を普段から好んで聴く?

ほしのディスコ 結構バラードとか訴えかけるような曲が好きなんですよ。僕メンタル弱い系なので(笑)。

流行に遅れないようにランキング・トップ100をチェック

―普段はどのように音楽を楽しんでいますか?

ほしのディスコ 本当気が付いたら音楽を聴いているっていう感じで、日常的に一番必要なものですね。だから……お笑いよりも音楽なんですよね。仕事の合間もほとんど音楽を聴いてますしね。あとは、最近車に乗るので、ずっと歌ってます。運転しながら歌うのがすごく気持ち良くて、ストレス解消になっていますね。

―ほしのさんがYouTubeでカバーしている曲は、最近のヒット曲も多いですが2010年辺りのJポップも多いですよね。日常的にはその辺りの楽曲を聴くことが多いですか?

ほしのディスコ やっぱり、流行に遅れないように心掛けないといけないなと思っているので、音楽ストリーミング・サービスのランキング・トップ100みたいなのをチェックして聴いたりもするんです。ちょっとやっぱアーティストとして、トレンドを押さえないといけないのかなって。最近流行しているKポップなども聴いています。

―歌い手としてとても努力されていますね。

ほしのディスコ でも確かに、本当に心から音楽を聴きたいときは、2010年とかその近辺のJポップが一番楽しく聴けますね。そのころって高校卒業したぐらいのときで、一番音楽を純粋に楽しんで聴いていた時期なんですよ。振り返ると、カラオケとかも一番行ってましたね。

―学生のころから歌手になりたいと思っていましたか?

ほしのディスコ 小学生のときに、歌手かお笑い芸人のどっちになろうか悩むくらいには、歌うことが好きだったんですよね。結局高校卒業して芸人になろうと決めたんですけど、ずっとカラオケに通って歌の練習したりしていました。

Whiteberryのファンになり歌手にあこがれる

―小学生のころアーティストを志そうと思ったきっかけのアーティストは居ましたか?

ほしのディスコ CDも全部持ってるくらい、ガールズ・バンドWhiteberryがすごく好きで。僕はハマるとそればっかり聴くタイプなんですよ。今アーティストとして芸能界に居て、一番会ってみたいアーティストですね。声がものすごく好きで、解散してしまってからもずっと聴いていました。歌うことや歌手にあこがれたきっかけの人です。

―Whiteberryを機に音楽にハマっていったのですね。

ほしのディスコ そうですね。その後はフォーク・デュオの19とか、洋楽だとアヴリル・ラヴィーンとかにハマりました。全体的に好きな音楽は女性ボーカルが多かったと思います。僕はやっぱり声が高いので、女性のキーの曲の方が合うんですよ。

ビブラートに挑戦するため森山直太朗を参考にするも失敗

―ちなみに、声変わりとかはありましたか?

ほしのディスコ 僕は声変わりを忘れたまま大人になりましたね。特に変化が起きなかった。

―それは、児童合唱などではとても重宝されますね。

ほしのディスコ そうなんですよね。合唱コンクールの練習とかで女子が何か休みで少ないときとか、僕が女子の方に行って声量足したりとかもしてましたからね(笑)。

―そんなに出るんですか! めちゃくちゃ戦力ですね。

ほしのディスコ 全部のパートいけたんですよね、主にソプラノ、アルト、テノールができて。小学校と中学校で合唱コンクール出ていた時期に、バリバリでソプラノを歌っていた記憶があります。そのころは音楽の成績も良くて、クラス・メートからも“ほしのくんは上手だ”って言われていましたね。だから歌手になれるんじゃないかって思っちゃってたんですけど。

―では当時から歌に自信を持っていたのですね。

ほしのディスコ でも、自分でめちゃめちゃ上手だとは思っていなかったです! クラスで一番にはなれるくらい、みたいな。もちろんプロには敵わないと思っていて、でも歌手にあこがれていたから、そのころから独自の歌の練習を始めたんですよ。

―どんな練習を?

ほしのディスコ まずやったのは、ビブラートのかけ方ですね。でも当時はインターネットですぐ調べられる環境がなかったので、独学で考えてやるっていう(笑)。テレビ出演していた森山直太朗さんが“口をパクパクさせればビブラートできる”と仰っていたので、森山直太朗さんの歌を真似して失敗してみたり、強行手段で喉を手で触って揺らしてみたり……分からないなりにやってましたね。あとはお母さんに買ってもらったレコーダーで声を録音して、ピッチが合っているか確認したりもしてました。

―そのデータでオーディションを受けたりは?

ほしのディスコ 本当に自分の声と向き合っていただけで、結局応募とかはしなかったですね。まだ自分には早いと思っていました。でも高校生のころEXILEが好きだったんです。そのときEXILEのTAKAHIROさんが選ばれたボーカル・オーディションが開催されて、それを発見したときはもう“僕、EXILEになろう!”って強く決心しましたよね。でもいざ、応募要項をチェックしてみたら、年齢制限が引っかかって応募自体が叶いませんでした。

―それは残念ですね。でも想いの強さは伝わってきます。

ほしのディスコ 当時は結局、自分から披露する勇気とかは持ってないんですよ。だから、カラオケ行ったときにうまいねって言ってもらえるように準備しておくみたいな感じでした。

―EXILEを上手に歌う練習を?

ほしのディスコ そうですね。バラードで「We Will~あの場所で~」が得意で、カラオケで97点を出していました。女性ボーカルは特有の抑揚が必要なので、点数上げるのが難しかったなと思います。

―一人でカラオケに通って練習を?

ほしのディスコ いや、僕群馬県出身ですごく田舎に住んでいたので、ひとりカラオケなんて行っていたら“友達いない”って噂になっちゃう(笑)。だから練習は家でして、カラオケには友達と行ってました。上京してお笑い芸人になってからは、週に1〜2回カラオケに通って歌ったりしていましたね。

―コロナ禍でYouTubeチャンネルを開設したことで、初めて音楽活動を始められたのですよね。

ほしのディスコ 本当にさっき思い出したのですが、高校1年生ときに実はニコニコ動画さんで1回だけ歌ってみた動画をあげたことがあったんですよ。Acid Black Cherryの「SPELL MAGIC」という曲で。でも全然再生されませんでしたね(笑)。4,000回再生くらい。“女性なのか男性なのか分からない”みたいなコメントは来てたなと。名前もキャシーって女か男か分からない名前にしてたんで。

“芸人イチ歌ウマ”と紹介されるプレッシャー

―今人前で歌うようになっていかがですか?

ほしのディスコ 毎月動画のために歌を録ったり、楽しいですね。でも趣味だったのが仕事になってしまって、星野一成名義でメジャー・デビューまでしてしまったから、前の方が純粋に音楽を楽しめていたなと思います。本当に今は“下手な歌は歌えない!”みたいに思っちゃうから。

―音楽をやるという覚悟を決めた結果

ほしのディスコ プレッシャーがかかってる……芸人イチ歌ウマとか紹介されて歌わないといけないときもあるので、それでピッチ外すと叩かれるし、普通に結構へこんだりもして(笑)。歌うの怖い!とか思うことすらあります。

―上手くならなきゃ!みたいに思ったりもしますか?

ほしのディスコ そうですね。お酒が大好きだったんですが、喉に悪いからもう2年ぐらい飲んでないんですよ。お酒も飲まないし、大声も出さないようにしているんですよね。テレビ番組で『有吉の壁』に出演しているときも、外ロケだから声張らないと届かないんですけど、周りに芸人たくさん居るからあまり声出さないようにしてますね。

―それは、サボってることになるんじゃないですか(笑)。

ほしのディスコ ポーズだけしっかり取ってるんで、ギリギリ大丈夫ですね。そういう無駄な声を出さないように注意する生活が身に付いてきていて、ひな壇が遠いと声が届かないんですよ(笑)。ひな壇NGにしようかな……はい。

―それは、ほとんどアーティストに傾いているような。

ほしのディスコ 収録中にもせめぎ合いますね。歌の仕事とかじゃなくてトーク番組の収録でも“この後歌ってもらいます!”みたいな展開が本当に多いんですよ。だから本当に声を温存しないとまずいんで、喋ってる場合じゃない(笑)。『ミュージック・ステーション』で大声出してトークする人居ませんからね。だから、僕も出したくないんですよね。

蜂蜜とのど飴で喉のケアをしたら虫歯が悪化

―喉のケアとかもしているのですか?

ほしのディスコ 日本では販売しているのど飴はすべて買ったじゃないかなっていうぐらい試しましたね。やっぱり、国立音楽大学声楽科教授が監修しているボイスケアのど飴が一番良いです。

―こののど飴はめちゃくちゃ口コミで評価高いですよね。

ほしのディスコ そうなんですよ! 低価格で効果があるのでコスト・パフォーマンスにも優れていて、イチオシです。飴だけじゃなくて蜂蜜も楽屋に持っていって、よく待機時間に飲むようにしていたんですが最近はやめました。

―どうしてですか?

ほしのディスコ 虫歯になったからですね。お笑いと音楽の葛藤だけじゃなくて、喉のケアと虫歯の葛藤もあるっていう。

―ボイトレとかは通っている?

ほしのディスコ もうここまで独学で来たらもう行かないぞみたいな気持ちで、言ってないですね。YouTubeのボイス・トレーニング動画とかも見ていますが、皆行っていることが違ったりするので、自分に合うのってどれなんだろうと。もし教室に通って、自分に全然合わなかったらどうしようっていう不安が勝ちます。

上手く歌うために良い姿勢で1万歩歩く

―独自の練習法があったら教えてくださいませんか?

ほしのディスコ すっごく単純ですけど、カラオケで自分が出る限界よりも一つ上のキーで練習すると高い声が出るようになりますね。「命に嫌われている」も最初は全然上手く出せないので、ホイットニー・ヒューストンとかから歌い始めて、少しずつキーを下へと下ろしていくっていう。

―カラオケでホイットニー・ヒューストン歌っているほしのさん想像しましたが、インパクトありそうですね(笑)。

ほしのディスコ もう一旦、上に行けるところまで行くっていうので、ホイットニー・ヒューストンですね。そうするとメンタル的な準備もできるからか、高音が出るようになったりするんです(笑)。あとは普通ですけど腹筋したりとか、良い姿勢で1万歩歩いたりもしますね。

―良い姿勢で1万歩歩くと、歌が上手くなるものなのですか?

ほしのディスコ 本にはそう書いてありましたけどね(笑)。

―数々の本とか動画を見て、採用されたのはホイットニー・ヒューストンと1万歩だったんですね。

ほしのディスコ ホイットニー・ヒューストンは僕のオリジナルなので、動画にも本にも書いてなかったですけど……ただ、いろいろなテクニック動画とかも見た上で、意外と採用されたのは効果があるのかないのか分からない1万歩だけだったってことですね(笑)。

―ホイットニー・ヒューストンを歌えなかった場合は、どうしたら良いでしょうか?

ほしのディスコ まぁ、よく言うのは頭の辺りを意識してみるとかですかね。よく脳天とか目と目の間を意識して発声すると良いとか聞きますよね。僕もいろいろと情報のインプットはしてるんですけど、瞬時に出せていない感じがありますね。今日も上手く歌えるか、怖いなぁ。

自分で作曲したくてギターを練習中

―ほしのさんはパーパーでネタも作っていらっしゃいますが、音楽の方でも歌うことだけじゃなく表現を広げていきたいと考えたりしますか?

ほしのディスコ いずれは自分で曲とかも作れるようになれたらいいなと思って、今すごいギターの練習をやっていますね。良い木を使っていて、変わったところに穴が空いていて、30万円くらいする、シンガポールのアコギをいただいたんですよね。

―何だか珍しそうで、良いギターをお持ちなのですね(笑)。

ほしのディスコ 最近は2回に1回Fコードをきちんと押さえられるようになってきました! 難易度が高過ぎない曲だったら、ギリギリ最後まで弾き語れるようになってきたんですよ。

―例えば、どのような曲ですか?

ほしのディスコ スピッツさんの「空も飛べるはず」とか。あと僕クリープハイプさんが大好きで今日もTシャツ着ているんですけど、クリープハイプさんの曲も練習しています。

―作曲した楽曲を聴けるのを楽しみにしています!

ほしのディスコ やっぱ芸人なので、恥ずかしいっていうのはまだちょっとあって。照れが残ってるというか……芸人が何やってんだろって思っちゃうんですよね。

―さっきあんなに“アーティストなんで”と仰っていたのに、やっぱり葛藤されているのですね。

ほしのディスコ 今は楽屋で発声練習とかも恥ずかしくてできないくらいなんですよね。同部屋のあいなぷぅにもうわぁって目で見られると思うし。でもできれば、来年とかに出してみたいですね。歌をやり過ぎて芸人に嫌われていることとか……等身大の自分を歌にしていきたいと思っています。お笑い無しで、真面目に取り組みたいです。

「三浦大知さんがテレビに出ると僕のフォロワーも少し増える」と言いながら、三浦大知の雰囲気を真似るほしのディスコ

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