Text:plug+(ぷらぷら)編集部
ボカロPをフィーチャーしたイベント『VOCALOCK MANIA』には、ボカロPが自身の楽曲を解説する楽曲分析のコーナーがある。前回の #ボカロックマニア では、楽曲、アートワーク、映像を自身で手掛けるボカロPのLonePi「ハイドレンジア」を取り上げて、LonePi本人とBCNOが対談。
この記事では、その対談の様子を動画とともに少しだけお見せする。
目次
LonePi×BCNO対談@VOCALOCK MANIA
LonePiの使用DAW=Studio Oneの音源
BCNO LonePiさんの楽曲って、一度聴いただけで“LonePiさんだな”と分かるキャッチーな個性があるなと思っています。楽曲制作をする中で“こういう個性を出そう”という風にこだわっている部分ってありますか?
LonePi 質問返しになって申し訳ないのですが、逆にBCNOさんは、私の曲のどんなところに個性を感じてくださいましたか?
BCNO ファンの皆さんもそうなんじゃないかなと思うんですけど、サビの頭などに入っている、“ウィーン”、“ピューン”という音がとっても印象的だなと思っています。こういった音って“絶対に入れよう”と意識して使っていたりするんですか?
LonePi これはPRESONUS Studio OneっていうDAWソフトに付属で入っている音源なんですけど、初めて聴いたときに“面白い音だな”と思い、その一心で使い始めました。そのうちファンの方から“LonePiさんの曲ってピューンって音絶対入ってるよね”ってコメントをいただくようになりました。
BCNO そうだったんですね。そういったリスナーが“LonePiさんの特徴だ”とすぐに分かるような個性の出し方ってほかにもされていますか?
LonePi 歌詞作りですかね。よくファンの方から“歌詞の韻の踏み方にすごく中毒性があって好きです”ってコメントをいただくんです。
BCNO 「ハイドレンジア」でも出だしから<気味が悪い程キミが悪い>という風に韻を踏んでいますよね。
LonePi そうなんです。私は歌詞作りに関して、“聴いても歌っても気持ちの良い語感”というのを目指しています。この曲の歌詞を作るときは、散歩をしたり家でゴロゴロしながらスマートフォンのメモを開いて、自分で“気味が悪い、キミが悪い……”みたいにブツブツ言いながら韻を探していましたね。
ポピュラーなコード進行をマイナーチェンジしながら作曲
BCNO それ、ほぼラッパーですね(笑)。やっぱりLonePiさんの楽曲って、「ハイドレンジア」に限らず歌詞の韻の踏み方が面白いですよね。言葉遊び的な面白さだったり、歌詞をリズム的に捉えてるような面白さを感じます。ほかに、音楽的な面でこだわっている部分ってありますか?
LonePi コード進行ですかね。最近のヒット曲には、大体似たコード進行があるじゃないですか。私はそのポピュラーなコード進行からあえてちょっとだけズラして、聴き手が違和感を覚えるような進行を作っているんですよ。
BCNO 確かにそれは、リスナーの皆さんが“何となく不思議な感じだな”と感じている部分かもしれないですね。「ハイドレンジア」では“丸サ進行”が使われていますよね。“丸サ進行”は、椎名林檎の「丸の内サディスティック」に使われている格好良いコード進行のことですね。ただそれをそのままループするんじゃなくて、進行を繰り返すごとにちょっとずつコードを変えていくみたいなこだわりがあるのではないかと思いました。
LonePi そうですね。サビ以外はもっと複雑に進行を変えているんですけど、サビでシンプルな“丸サ進行”に戻るという風にしています。
BCNO AメロやBメロではちょっと主流じゃないことをやって、 サビではグッとみんなが聴き覚えのあるコード感にしていくっていうことですか?
LonePi 「ハイドレンジア」のときは、そういったことを考えながら作っていました。
BCNO すごいですね……ほかに何かこだわっている部分はありますか?
LonePi 「ハイドレンジア」には、ピアノやアコーディオン、木琴だったりと、いろいろな楽器が入っているんですよ。この曲に限った話ではないんですけど、私はすべての楽器をシンセサイザーとして使っているところがあって。例えばギターでCメジャー・コードを鳴らすときって、ド、ミ、ソの並びにならないんですよ。
BCNO ギターには弦が6本あるので、Cメジャー・コードを鳴らすとき、ピアノみたいにド、ミ、ソと順番には並ばずに、ミが下になったりして、音の高低がズレることがあるってことですよね?
LonePi そうです。だから、“LonePiの曲のピアノは腕が三、四本ないと弾けない”って言われたりするんですよ。普通に楽器を弾く体だと、鳴らない音を鳴らしているので。
BCNO 楽器経験者からしたら、思い付かないような発想をしていますよね。
LonePi ピアノは“ピアノが鳴っているシンセ”として扱っているし、ギターも“ギターが鳴っているシンセ”として扱っているし、全部そういった感覚で使っています。
BCNO 楽器が弾けないからこそ出てくる発想みたいなところなんですかね。
LonePi そうなんだと思います。
『VOCALOCK MANIA ver.3』大阪&東京開催概要
『VOCALOCK MANIA ver.3 OSAKA』
日程:2024年8月17日(土)OPEN 13:30/START 14:00/CLOSE 20:00
会場:club JOULE
出演者:r-906、柊キライ、YASUHIRO(康寛)、yuigot、ほか
『VOCALOCK MANIA ver.3 TOKYO』
日程:2024年8月26日(月) OPEN 16:30/START 17:00/CLOSE 21:00
会場:Zepp Shinjuku(TOKYO)
出演者:かいりきベア、すりぃ、ほか
【チケット情報】
■1次先行抽選
受付期間:2024年4月26日(金)18:00~5月5日(日)
https://l-tike.com/st1/vocalockmaniavol3
東京&大阪セット・チケット:8,000円 ※サイン入りポスト・カード付
大阪チケット:4,000円
東京チケット:5,500円
※整理番号順、オール・スタンディング
⚫︎来場者特典:ポスト・カード
⚫︎1次先行チケットは、一般チケットより1,000円オフ
公式X:https://twitter.com/VocalockMania
過去の『VOCALOCK MANIA』はこちらから→https://www.vocalockmania.com/
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