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【2024年最新レビュー】MIX師がおすすめする音楽制作用ヘッドホン13選(+3)

MIX師(ボカロ曲や歌ってみたのミックスをしている人)のKOUICHIが13機種の音楽制作用ヘッドホンと3機種のリスニング用ヘッドホンをレビュー。

MIX師がおすすめする音楽制作用イヤホン10選

 歌ってみたやボカロ曲など、音楽制作に勤しんでいるクリエイターの皆さん、DTMと相性の良いイヤホンをお探しではないでしょうか? 今回はMIX師(ボカロ曲や歌ってみたのミックスをしている人)のKOUICHIさんに10機種のイヤホンをレビューいただきました!

 MIX師、作編曲家、ギタリストのKOUICHIです! __(アンダーバー)さん、まらしぃさん、ウォルピス・カーターさん、mitsuさんなどの作品のミックスやアレンジをしています。X

 別の記事では、音楽制作にぴったりな13機種のヘッドホンをレビューいただきましたが、今日はクリエイター界隈でよく名前が挙がるイヤホンを中心にレビューいただきます。どういったポイントを重視して聴き比べをしますか?

 前提として、僕は音の鳴る空間全体を俯瞰してミックスなどをする際に最適なのがヘッドホン、外出先で嵩張らない&没入感のあるサウンドで曲の世界観を構築しやすいのがイヤホンだと思い、使い分けています。

 今回はイヤモニとしての使用を想定されているイヤホンたちを中心に揃えていますが、ミックス、アレンジ、作曲、録音などそれぞれに適した機種があると思っているので、どういった作業に向いているのかを考えてレビューしていきます!

※掲載順は紹介する製品の価格に準拠しています

APPLE EarPods(USB-C)

 僕がAPPLEの純正イヤホンを使用していたのは2014年ぐらいだったのですが、その当時に比べてEarPodsはとても良い音質になっていると思います。以前は低域の膨らみを感じていましたが、EarPodsでは低域も奇麗です。

 特定の帯域で過度にブーストなどもされていないため、意外にも素直な音がします。これで曲作りからミックスまでできてしまう人も居るんじゃないでしょうか。

製品情報

●価格:2,780円(税込)●ケーブル:固定(USB Type-C)
●販売リンク:https://www.apple.com/jp/shop/product/MTJY3FE/A/earpodsusb-c

BEHRINGER MO240

 高域の出方が特徴的なので、イヤモニとして使用したらきっとクリック音やハイハットなどのリズムが“カチッ”と硬質に響いてきて、演奏しやすいだろうなと感じます。分離感もあって、定位もしっかりと再現されていたので、オケに合わせて演奏する上ではかなりアドバンテージになると思うんです。

 楽器の音をモニターして自分が演奏しなくてはならない歌い手/演奏者の方々、中でも特に宅録勢にはおすすめしたいと思うイヤホンです。

製品情報

●実勢価格:7,280円(税込) ●形式:密閉型 ●周波数特性:20Hz~20kHz ●ケーブル:着脱式(1.5m) ●ドライバー・ユニット:ダイナミック/バランスド・アーマチュア
●Webサイト:https://www.electori-br.jp/products/928.html

●サウンドハウスで購入:https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/287612/

SENNHEISER IE 100 Pro Clear

 音の立ち上がりやアタック感が感じられる上に、上下へと音が奇麗に伸びています。歌の質感をとらえやすいのと、楽器パートの演奏ニュアンスなどディテールが見えてきたので、僕ならば出先でアレンジを制作したり、スタジオでの録音時に演奏をチェックするときやミックスの修正作業をするときなどで活躍してくれそうだと感じました。

 ライブやレコーディングなど幅広いシーンで使えると思うので、演奏者、作編曲家の方々におすすめしたいです。

製品情報

●価格:14,300円(税込) ●形式:密閉型ダイナミック ●周波数特性:20Hz~18kHz ●ケーブル:着脱式(ストレート・ケーブル黒:1.3m) 
●Webサイト:https://www.sennheiser.com/ja-jp/catalog/products/headphones/ie-100-pro/ie-100-pro-clear-508941

●問合せ:https://www.sennheiser.com/ja-jp

SHURE SE215

 中域にフォーカスされたチューニングがされているので、ボーカル・メロディーの音程などをとらえやすいと思います。例えると、ダイナミック・マイクで収音したボーカルのように、実音がしっかりと鳴ってくれる印象です。

 遮音性も高くボーカル録音でのモニターがしやすいのと、録音した声のオーディオ・エディットをする際にとても便利だと思います。ぜひ、歌い手の方は使ってみてほしいです。

製品情報

●実勢価格:14,630円(税込) ●形式:密閉型 ●周波数特性:22Hz~17.5kHz ●ケーブル:着脱式(EAC64)
●Webサイト:https://www.shure.com/ja-JP/products/earphones/se215

ACOUSTUNE RS Three

 耳掛けしやすく、付け心地がとても良いので、何かを装着しているストレスがほぼないです。ベースが鳴っている中低域〜低域と歯擦音などが鳴っている5kHz辺りが少し出ているので、ロックなどバンド・サウンドが格好良く聴こえるとともにモニターもしやすいと感じます。

 イアモニとして演奏者の方はライブやレコーディングで使用するのはもちろん、作業に使うならばバンド系の楽曲を作っているボカロPの方々におすすめしたいです。

製品情報

●価格:16,880円(税込) ●形式:密閉型ダイナミック ●周波数特性:20Hz~40kHz ●ケーブル:着脱式(ARM011L:約1.8m) ●ドライバー・ユニット:9.2mm径
●Webサイト:https://www.acoustune.jp/rs-three

●問合せ:info@pixel-tokyo.co.jp

SENNHEISER IE 200

 IE 100 Pro Clearに感じた音の伸びとボーカルの聴き取りやすさを感じるとともに、ベースなど低域パートの輪郭まではっきり見えてくるのが魅力だと思います。IE 200のようにベースが聴き取りやすいと、アレンジ制作のときに気分が乗ってより作業に没頭できると思うんです。

 メロディやベースが聴き取りやすいことでリズム・パートまで楽しく制作できると思うので、ボカロPなどトラック・メイカーの方々にもおすすめしたいモデルです

製品情報

●価格:オープンプライス(市場予想価格:23,760円税込) ●形式:密閉型ダイナミック ●周波数特性:6Hz~20kHz ●ケーブル:着脱式 
●Webサイト:https://www.sennheiser-hearing.com/ja-JP/p/ie-200/

SONY MDR-EX800ST

 予想以上にバランスの良い音でSONYの密閉型ヘッドホンMDR-M1STのキャラクターに通じるものを感じます。オケの中では特にボーカルにフォーカスしてモニターができると思いました。そのため、ライブのイヤモニや録音の用途だけでなく、歌ってみたのミックスでオートメーションを書くときなどの集中力をサポートしてくれそうです。

 声に特化した作業を行わなくてはならない歌い手やMIX師の方々におすすめしたいです。

製品情報

●価格:26,400円(税込) ●形式:密閉ダイナミック型 ●周波数特性:3Hz~28kHz ●ケーブル:着脱式(約1.6m) ●ドライバー・ユニット:16mm、ドーム型(CCAW採用)
●Webサイト:https://www.sony.jp/headphone/products/MDR-EX800ST/

WESTONE AUDIO Pro X10

 ボーカルが際立ってよく聴こえてくるので、ステージでイヤモニとして使用したら常に自分の声がよく聴こえる状態になるのだろうと思いました。歌のニュアンスなどディテールも見えるので、ボーカルにフォーカスしたミックス作業を手助けしてくれると思います。

 ケーブルがとても細いので繊細に取り扱う必要はあると思いますが、歌い手の方々の録音用途にボーカル処理の道具としてMIX師の方々におすすめしたいです。

製品情報

●価格:33,000円(税込) ●形式:密閉型 ●周波数特性:20Hz~16kHz ●ケーブル:着脱式(132cm、Linum Bax T2™) ●ドライバー・ユニット:バランスド・アーマチュア×1
●Webサイト:https://kanjitsu.com/product/pro-x10/

TAGO STUDIO T3-02

 解像度が高くて高品質な音がするので、基本的にはTAGO STUDIOのヘッドホンT3-01と同じようなコンセプトを感じます。ただこのT3-02の方が、低域が気持ち良くダイレクトに響いてきて、サブベースのピッチまでよく感じ取れる印象です

 そのため、楽器レコーディングをするクリエイターの方々で、演奏のピッチをきちんと聴き取りたい方々におすすめのイヤホンです。

製品情報

●価格:37,400円(税込) ●形式:密閉型ダイナミック ●周波数特性:20Hz~20kHz ●ケーブル:着脱式(約1.2m)
●Webサイト:https://tagostudio.com/headphones/t3-02.php

WESTONE AUDIO Pro X20

 Pro X10からドライバーが一基追加されたことで、高域と低域どちらにも音が伸びて解像度も高くなったように感じられます。ボーカル以外にもパーカッションの鳴り方の絶妙な変化といったディテールまで再現してくれるのが素晴らしいです。

 出先でアレンジ制作や簡単なミックスをしたいときに十分な能力を持っていると思うので、ボカロPなどトラック・メイカーやMIX師の方々におすすめしたいです。

製品情報

●価格:49,500円(税込) ●形式:密閉型 ●周波数特性:20Hz~18kHz ●ケーブル:着脱式(132cm、Linum Bax T2™) ●ドライバー・ユニット:バランスド・アーマチュア×2(低域、高域)
●Webサイト:https://kanjitsu.com/product/pro-x20/

●問合せ:完実電気株式会社サポートセンター Tel:050-3388-6838 メール:tinfo@kanjitsu.com

総評

 “耳の中で音を聴く”ためのシンプルな機材ですが、なぜイヤホンが制作に必要なのかをあらためて感じることができました。取り回しの良さ、遮音性、音漏れの少なさ、没入感、リスナーの再生環境に近い聴こえ方など、どれもイヤホンの長所ですよね。ステージ・モニター、モバイル環境、録音作業など、さまざまなシチュエーションで“イヤホンが欲しい!”という瞬間があると思います。人によってはイヤホンの方がクリエイティブに作業しやすいこともあるでしょう

 今回モニターさせていただき、どのイヤホンからもストロング・ポイントが分かりやすく感じられました。ヘッドホンとイヤホン、上手く使い分けることでより音楽制作が充実していくと思います!

今回の試聴環境とリファレンス音源

 今回のヘッドホン/イアホンの試聴は、御茶ノ水のイベント・スペースRITTOR BASEで行いました。使用したオーディオ・インターフェースは、UNIVERSAL AUDIO Apollo Twinで、以上の二つをリファレンス音源にしました。

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