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現役ボカロPが使用しているヘッドホン/イヤホン調査!

 日々音楽制作に勤しんでいる皆さんは、“実際に作曲家が音楽制作で使っているモニター機材を知りたい”と思ったことはないだろうか。ついでに、ヘッドホンとイヤホンの使い分けなどに興味を持っている方も居るかもしれない。

 皆さんのお悩みを解決するべく、今回ぷらぷら編集部が13人の現役ボカロPたちに、
楽曲制作においてあなたはヘッドホン派? それともイヤホン派?
実際に使用しているヘッドホン/イヤホンと、それを選んだ理由
についてアンケートを実施! 

 調査を進めるとヘッドホンを使うボカロPが多数派であることが明らかになったが、制作にイヤホンを使うボカロPも確実に居るという結果に! これを読んで、ヘッドホン/イヤホンぞれぞれの利点や、気になるボカロPの使用機材を知ろう! この記事では、実際にPが所有する機材の写真付きで紹介していく。

いるかアイス/On Prism Records

【Profile】テクノ・ポップを中心とした楽曲制作を行うボカロP。音楽レーベル『On Prism Records』のディレクター、楽曲投稿祭『キラハピ』の主催を務め、アーティストへの楽曲提供も行っている。

1st 女性ボーカル曲アルバム
『Angel Gelato』
発売日:2023年10月29日

●楽曲制作のときに、あなたはヘッドホン派? それともイヤホン派?
 ヘッドホン派です。音楽制作では何種類かのヘッドホンを使い分けていて、それとは別にDJの練習時には、DJ用のヘッドホンを使っています。たまに外出先で制作作業をするときには、荷物にならないように小型のイヤホンを持ち歩き、簡単な作曲などをしています。ちなみに音楽制作以外でも、ゲーム・センターで音ゲーをするときにはイヤホンを使います。

●実際に使用しているヘッドホン/イヤホン&選んだ理由
 音楽制作用に使っているヘッドホンは、AKGのK702です。前述した通りヘッドホンを何種類か使い分けているのですが、一番使用歴が長く、思い出深いのはこのヘッドホンです。DTMを始めたころに“何か良いヘッドホンを買いたい”と思ってインターネットで調べたところ、使っている人も多く、見た目が格好良かったのでこれを選びました。どちらかというと低音よりも高音がより聴こえてくるタイプですが、音楽制作以外で聴いていても疲れないので、あらゆる用途で使っています。

いるかアイスが実際に使用しているヘッドホン:AKG K702

鬱P/おはようございます

【Profile】重低音の効いた数々のボカロ曲を制作するP。バンド『おはようございます』でベース・パートを担当しているほか、アイドル・グループ『Zsasz』のサウンド・プロデュースなど、幅広く活動している。

8thアルバム
『HAPPYPILLS』
発売日:2023年9月13日
キャラクター:鏡音レン・リン

●楽曲制作のときに、あなたはヘッドホン派? それともイヤホン派? 
 役割が違うので、両方使っています。ただ、楽曲制作の“作業”ではヘッドホンを使用するので、音質と付け心地を重視しています。イヤホンは普段遣いなので、APPLE iPhoneとのペアリングのスムーズさを重視してAPPLE AirPods Proを使っています。電車や街頭という雑多な環境で使用するので、そこまで音質にこだわっても仕方がないと個人的には思います。また、一番一般的なものに耳を慣れさせておくという意味もあります。

●実際に使用しているヘッドホン/イヤホン&選んだ理由
 TAGOのStudio T3-01です。自分はDTMを始めてから10年以上、ROLANDのRH-300を使用しておりました。そこから新しいヘッドフォンに買い替えるときに“なるべく音のクセが変わらないこと”と、自分は頭が大きく耳が立っているので、“長時間付けていても痛くならないこと”を重点に置いて探しました。秋葉原にあるヘッドホン/イヤホンの専門店であるeイヤホンでこのヘッドホンを試し聴きしたところ、イヤー・パッドの深さと柔らかさが耳にフィットして痛くならず、音もクセは変わらずに、純粋に解像度のみが上がったような感覚だったので、こちらに即決しました。

鬱Pが実際に使用しているヘッドホン:TAGO Studio T3-01

かごめP

【Profile】2009年にボカロPとして活動を開始。音声合成ソフトのキャラクター・プロデュース集団「VOCALOMAKETS」所属。「結月ゆかり」「紲星あかり」の開発に参加した。

●楽曲制作のときに、あなたはヘッドホン派? それともイヤホン派?
 ヘッドホン派です。子どものころから、どのイヤホンを付けても耳が痛くなるので、自然とヘッドホン派になりました。また、イヤホン/ヘッドホン問わずに密閉型の圧迫感や音場のニュアンスが苦手で、ヘッドホンは特に開放型を好んで使っています。蒸れない、通気性の高いヘッドホンが好きということですね(笑)。

●実際に使用しているヘッドホン/イヤホン&選んだ理由
 SENHEISERHD800です。先述の通り、ヘッドホンは基本的に開放型が好きで、音楽制作用途以外でも開放型ばかりを使っています。中でもこのヘッドホンは発売当初に音を聴いて一目惚れし導入した、思い入れのあるヘッドホンです。圧倒的なレンジ感、自然な音場感で、当時肩を並べるものがなかった最高峰のヘッドホン。ただ価格に関しても最高峰で、かなり奮発して、自分へのクリスマス・プレゼントとして導入した記憶があります。

かごめPが実際に使用しているヘッドホン:SENHEISER HD800

きくお

【Profile】2003年に音楽制作を開始。ゲーム音楽や東方アレンジなどを手掛ける。2022年には、「愛して愛して愛して」がSpotifyにおいて、VOCALOID楽曲再生数世界1位を達成。

●楽曲制作のときに、あなたはヘッドホン派? それともイヤホン派?
 音が近過ぎて全体が見えなくなってしまうのが苦手なので、ヘッドホン派/イヤホン派とかではなく、基本的にスピーカー派です。ですが、最近は出掛け先でヘッドホンも使います。開放型のヘッドホンはスピーカーから聴こえるサウンドに近く、良い感じです。状況的にヘッドホンが使えなければ、イヤホンを使います。

●実際に使用しているヘッドホン/イヤホン&選んだ理由
 ヘッドホンはFOCAL Clear MG Proを使っています。このヘッドホンは解像度が桁外れに高く、一聴してすぐに購入を決めました。気に入っていますが、装着感は普通です。開放型のため音が漏れまくるので、外ではULTIMATE EARS UE PremierというカスタムIEM(イン・イヤー・モニターの略で自分の耳型に合わせて成形するイヤホン)を使います。こちらは中低音域のクセが強いものの、イヤホンとしては十分な解像度を感じます。このカスタムIEMの装着感が想像以上に素晴らしかったことに、感動しました。

Guiano

【Profile】2014年にニコニコ動画へ楽曲を初投稿し、ボカロPデビュー。現在はシンガー・ソングライター として活動。ジャンルや枠にはまらない音楽性を持ち味に、楽曲提供やCM音楽、劇伴など、幅広く活躍中

Digital Single
『Good Style』
発売日:2024年3月27日

●楽曲制作のときに、あなたはヘッドホン派? それともイヤホン派?
 外出時以外では、すべてヘッドホンを使っています。小さいころからずっとヘッドホンを使用していたので、それ以外が使えなくなってしまいました。装着すると、なんとなく気合が入って良い感じです。それと、単純にイヤホンが苦手という理由もあります。一日中“音を聴く”ということをしていて、イヤホンを長時間付けていると耳が痛くなって集中できなくなってしまうので(良いイヤホンに出会えていないだけかもしれませんが)、そのような弊害がなく、疲れづらいヘッドホンが好きです。

●実際に使用しているヘッドホン/イヤホン&選んだ理由
 BEYERDYNAMIC DT 1990 Proです。3年ほど使わせていただいているヘッドホンです。昔は密閉型の音が好きで、AUDIO-TECHNICAのものをよく使っていたのですが、この開放型のヘッドホンに出会って世界が変わりました。
 とにかく音が楽しく、音を聴いているだけでアイディアが湧いたり、ここのパートにピッタリとハマるフレーズなんかがポッと出てきます。“感覚”を大事にして音楽を作っている自分には、この“音が楽しい”という部分が何よりも重要で、曲を作る上で私が何より大切にしている“なんか良い”をたくさん見つけることができます。
 また、そういった感覚的な部分を差し置いても、開放型ならではの高音の華やかさは素晴らしく、ウィンド・チャイムのすべての音まで感じることができます。それに加えて、開放型のネックになる低音の薄さは無く、バランスが良いという言葉で片付けて良いのか分かりませんが、とにかく理想的な音です。ただ重いです、めちゃくちゃ重い。締め付けもちょっと強いかな。でも、そんなデメリットも感じさせないくらい素晴らしいです。お試しあれ。

Guianoが実際に使用しているヘッドホン:BEYERDYNAMIC DT 1990 Pro

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