Text:鹿野水月(plug+編集部) Photo:写真ごとにクレジット
今年で28回目を迎えた『FUJIROCK FESTIVAL’25』のライブ・レポート。忙しい方は記事冒頭部分で要点のみを、アーティスト写真で一部のライブの様子を体感したい方は最後まで読んでみてほしい。
目次
【忙しい人のための】フジロック(2025)要点まとめ
個人の感想や余談を省いた2025年のフジロックのことを先にまとめている。お忙しい方はここだけ読もう!
『FUJIROCK FESTIVAL’25』来場者数は 12万2千人
今年で28回目を迎えた『FUJIROCK FESTIVAL’25』は、来場者数 12万2千人で、前夜祭1,6万人、1日目3.3万人、2日目3.9万人、3日目3.4万人と全体的に昨年度よりも増加傾向にありました。2020年の開催中止から、コロナ以降減少傾向にあったフェスの参加者が回復してきたことを証明する年になったと言える。
これだけの参加者がいながら、最終日までトイレが綺麗でした。フジロックのトイレが臭くない時代になったこと、運営の努力もさることながら、参加者の意識にも賞賛です。
『FUJIROCK FESTIVAL’25』のチケットが若干値下げ
2023年から2024年にかけて値上がりしていたチケット代が、2024年よりは2025年の方が “若干” 値下げされている。
2025年のフジロックのチケットが、1日券が25,000円、3日通し券が59,000円であるのに対し、2024 年のフジロックのチケットが、1日券が25,500円、3日通し券が60,000円。ちなみに、2023年は1日券が18,000円、3日通し券が55,000円。
『FUJIROCK FESTIVAL’25』注目の出演者は誰だったのか
ヘッドライナーなど海外勢の面々は、音楽好きがうなる渋い面々であるものの、国内勢は昨今のJ-POPを牽引するアーティストたちが勢ぞろいしており、洋楽離れの傾向が強い若年層も楽しめるフジロックになっていた。
1『FUJIROCK FESTIVAL’25』のヘッドライナーは、1日目がFRED AGAIN..(フレッド・アゲイン /英)、2日目がVULFPECK(ヴルフペック/米)、3日目がVAMPIRE WEEKEND(ヴァンパイア・ウィークエンド /米)。FRED AGAIN..とVULFPECKは、初来日。
21日目には今年6月に活動を再開したばかりのSuchmos(サチモス/日)が出演
3昨今のシティ・ポップ・ブームを牽引するレジェンド山下達郎(ヤマシタ タツロウ/日)が初出演
4山下達郎のステージに竹内まりやがサプライズ登場
5若年層も注目してしまうJ-POPのスターが出演。1日目はVaundy(バウンディ/日)、2日目は山下達郎、3日目はCreepy Nuts(クリーピーナッツ/日)やRADWIMPS(ラッドウィンプス/日)など
フジロックが教えてくれる自然環境や社会の課題
スマッシュと苗場の方々による森の保全活動「フジロックの森プロジェクト」では、自然を守るために必要なことを教えてくれる。ORANGE ECHOステージなどへ向かうための約1.4kmにわたって敷かれたボード・ウォークによって森の植物を踏みつけないように気遣われていたり、フジロックのポスターや食事の際の割り箸に苗場の森の間伐材などを活用していたり。Gypsy Avalonステージでは、反核や反原発の問題に関するイベントなどを行うアトミック・カフェのトーク・イベントも開催。
東京に住んでいると“森の保全活動”と言われても距離を感じてしまうところがあるが、苗場の森を目にして空気を吸ってみると、守るべき自然を身体で理解できる。
……2025年フジロックの要点はこういったところだろうか。
アラサー女子のフジロックぼっち参戦(2025)
自己紹介:plug+(ぷらぷら)編集部プロデューサー鹿野水月(30)です

こんにちは、plug+(ぷらぷら)編集部プロデューサーで音楽ライターの鹿野水月(しかの・みづき)です。ガジェットとテクノをこよなく愛する30歳独身女。フジロック初参戦は3歳で、1998年の第2回豊洲で開催されたとき。母親の押すベビーカーからプロディジーを堪能しました。フジロック最高!
……ということで、今年も3日間フジロックに参加しました!
私が風邪気味でフジロックぼっち参戦した経緯
楽しみにしていた筆者ですが、フジロック3日前に風邪を引き、地味に前途多難な展開に。“バチでも当たったか……”と思ったので浄化のために、通院と当日までよく寝る子(12時間睡眠)を徹底し、結局、風邪気味参戦になりました(無念)!

今年は同じくアラサー女、ギター・マガジン編集部AYAKO(33)と一緒に参戦予定で同じ宿泊先を手配していたものの、フジロックの2日後がギタマガの入稿日。
もしも彼女に風邪をうつしたらギタマガ編集長にしばかれるので、できるだけAYAKOにウイルスをうつさないようにぼっち行動を決め込んでのスタートです!
『FUJIROCK FESTIVAL’25』7/25(1日目)
plug+(ぷらぷら)編集部、#おひとりさまフジロック で今年もゆるりと苗場に降臨/
— plug+(ぷらぷら) (@rm_plugplus) July 25, 2025
天気:晴れ!with時々雷(何故)
後日レポート掲載予定🆙
たまに一部の方だけに有意義かもしれない情報を呟きます。#fujirockfestival #fujirock #フジロック pic.twitter.com/tcaP9m5PVD
風邪気味だし無理なく参加したいアラサーは、東京から新幹線に乗って12時過ぎに苗場に到着。すぐに着くだろうと油断していたら駅前のシャトルバスが長蛇の列! これなら先にチェックインを済ませて荷物を置きに行った方がいいだろうと思い、宿の送迎で雪国の宿 高半に13時到着。送迎で14時には駅に戻り、15時過ぎに無事会場に到着することができました。
青葉市子(日)

BRAHMANを見た後に、青葉市子を見るためにRED MARQUEEに移動。電飾がやわらかな光を放つステージで白い衣装の青葉市子が一人登場し、ギターでYAMAHA CS40J弾き語りをする。いつものちっちゃなエレピYAMAHA Reface CPも使用しているようだ。

GREEN STAGEのHYUKOH & SUNSET ROLLERCOASTER|AAA(韓国、台湾)は、ヒョゴと落日飛車の合同バンド。ギターとシンセを主体とするインプロヴィゼーションで構成されているような実験的な楽曲が多く、落日飛車のシティ・ポップなイメージとは異なるムード。
落日飛車のベーシスト陳弘禮が弾いてるMOOG Little Phatty Stage II、ギターの轟音にも馴染んでいる。ヒョゴのオ・ヒョクのボーカル・マイクにSENNHEISER MD 441-Uを使用しているようだった。
PERFUME GENIUS(米)

またRED MARQUEEに移動してアメリカのシンガー・ソングライターPERFUME GENIUSへ。マイク・ハドレアスが幻想的なピアノ・サウンドの中で布を被りながら歌っているのを見たり、空間系の効いたディストーション・ギターを浴びたりして心を浄化。


苗場食堂でとろろめし全部乗せ(900円)とけんちん汁(500円)を摂取しながら、Vaundyを堪能。
実はこの頃には風邪の症状がほとんど消えるという、謎すぎる苗場マジックを体感。念のためお薬も摂取。
OK GO(米)
Vaundy(日)も鑑賞して、WHITE STAGEへ移動。ギター・ボーカルDamian KulashのFENDER Telecasterの柄が、ピンクと黄色のボーダーの塗装でキャンディーみたいにラブリー。マイクはおそらくSE Electronics V3。ベーシストのTim Nordwindは、ARTRIAのKeystep 37を小脇にセット。

TYCHO(米)

WHITE STAGEからRED MARQUEEに移動。ティコことスコット・ハンセンの周りにたくさんシンセが並んでいた。暗くて全て確認できなかったのだが、柔らかくプチプチしたホワイト・ノイズが気持ち良いシンセの音はSEQUENTIAL Pro 3 SE、冷感クリーンな高音を弾くのにACCESS Virus TI2 Polar、シンセ・パッドなどにNOVATION Launchkey Mini MK3 MIDIを使っている模様。ミニマルで整理されたセッティング。
ちなみに、この頃には外気温が一気に涼しくなってきて快適に。
Suchmos(日)

本当はGREEN STAGEでFRED AGAIN..が21時10分よりパフォーマンスする予定が、機材トラブルで遅延のアナウンスが流れてきたので、先にSuchmosの演奏を観に行くことに。
Suchmosは活動一時休止後、ベースのHSUの訃報など、ファンにとって悔しい出来事が重なったが、今年サポート・ベーシストの山本連を迎え入れて6月から活動を開始していた。当日は「STAY TUNE」など休止前のヒット曲を演奏したり、今年リリースされたEP『Sunburst』の収録曲まで演奏した。
休止前のヒット曲はHSUの参加していたころとはムードが大分異なっていた印象で、EP『Sunburst』もアコースティック・ギターの存在感が強いことから、“Suchmosは新しく生まれ変わった”という印象が強いパフォーマンスになっていた。

FRED AGAIN..(英)

この前Boiler RoomでDJしていた人、という印象だったFRED AGAIN..がフジロックのヘッドライナーとして決定した際にはとても驚いた。ただコロナ以降の2020年代のダンス・ミュージックを牽引してきた若手のエースはFRED AGAIN..だったし、彼がやってきた何気ないボイス・サンプリングを大胆に取り入れる手法や、UKガラージ・ハウスを取り入れたリズム・トラックと楽曲展開などは、昨今の海外だけでなく日本のトラック・メイカーも多分に影響を与えただろうと思う。
ディスプレイに“海を超えて日本の山の中に照れてきてくれるとは夢にも思わなかった”という文字が映し出され、「Marea (we’ve lost dancing)」が演奏されたときは、コロナ禍で苦境に追い込まれたクラブのことや、そんな中ネット上で音楽を守り続けたFRED AGAIN..の才能に思いを馳せてしまい、思わず涙が流れた。

坂本慎太郎(日)

RED MARQUEEでは超満員の中で、坂本慎太郎が演奏。暖かく豊かな余韻のあるギターの響き、輪郭はぼやけているがダイナミックさを感じさせる独特な音像のベース、ゆったりとした口調で歌い続ける坂本慎太郎の歌が苗場の夜に溶けていく1時。疲れた脳にオキシトシンが分泌された。
『FUJIROCK FESTIVAL’25』7/26(2日目)
plug+(ぷらぷら)編集部、今日も越後湯沢駅前でシャトルバスに2時間並び、ゆるりと苗場に/
— plug+(ぷらぷら) (@rm_plugplus) July 26, 2025
天気:晴れ(暑過ぎ)
後日レポート掲載予定🆙
たまに一部の方だけに有意義かもしれない楽器の情報を呟きます。#fujirockfestival #fujirock #フジロック pic.twitter.com/QnqQdYwQzD
昨夜1時からオフィシャル・シャトルバスに乗り宿に到着したのが2時半で、そこから急いで大浴場の温泉に浸かり、3時過ぎに就寝。風邪気味で夜更かしまでして壊滅的な体調になると思っていたが、朝起きたら本当に何事もないくらい調子が良かった。東京にいるより、苗場で深呼吸した方が治りが早い説あります。

宿の美味しい朝ごはん。
風邪が治ったので、今日からギタマガAYAKO(33)と一緒に行動を開始! 10時半に宿から送迎で駅に向かった。運が良ければmei eharaに間に合うつもりでいたが、あまりに長蛇の列で君島大空 合奏形態(日)もバスの中からAmazon Prime Videoの配信で鑑賞。
最初に見たのはWHITE STAGEでBALMING TIGER(韓国)。4名のフロント・マンと多数のクリエイターから成るBALMING TIGERのステージに突如新しい学校のリーダーズが出てきてコラボ曲「Narani Narani (feat. ATARASHII GAKKO!)」を披露しているのを確認。突然降ってきた豪雨の中、雨合羽を忘れたギタマガネキ(AYAKO33)がKiUのショップに助けられるプチハプニングを経て、STUTS (Band Set/日)のステージでtofubeatsらが出てくるのを雨に降られながら見ていた。
NEWDAD(アイルランド)

GREEN STAGEとWHITE STAGEを行き来してから、ドリーム・ポップ・バンドNEWDAD(アイルランド)を見にRED MARQUEEへ。歪みと空間系で輪郭が柔らかくなったギターがふわりと重なり合いハーモニーを奏でる癒しの時間。ギター・ボーカルJulie Dawsonのギターの一つは、おそらくFENDER Squier J Mascis Jazzmaster。ステッカーいっぱい貼ってあって可愛い。

JAMES BLAKE(英)

フランク・オーシャンやケンドリック・ラマーの音楽プロデュースを手掛けるイギリスの音楽プロデューサーJAMES BLAKEが2人のバンド・メンバーを率いて演奏。未だ小雨はやまない状況だったが、彼の感傷的な歌と上手い具合にかみ合っていて、とても良いムードだった。
シンセや鍵盤とともに歌う弾き語りで、使用機材にはDAVE SMITH INSTRUMENTS Prophet’08 シリーズ、UDO Super 6、NORD Nord Piano 4などがあった。

GINGER ROOT(米)

カリフォルニア出身のマルチ・インストゥルメンタリスト/音楽プロデューサーのキャメロン・リューによるソロ・プロジェクトがGINGER ROOTである。日本のシティ・ポップに影響を受けたちょっぴりレトロなローファイ・サウンドのシンセ・ポップは、日本人の耳によくなじむ。ギターのほか、YAMAHA Reface CP、TEENAGE ENGINEERING OP-1、ROLAND JU-06などをセットし演奏していた。

山下達郎(日)

デビュー50周年を迎えた今年、フジロックは初出場のようだ。日本人も、海外の方も集まり、ここまで人に埋め尽くされたGREEN STAGEを初めて観たような気がする。ブラウンのFENDER Telecasterで「SPARKLE」のカッティング・ギターを弾く姿を見たときに“本物見てる……”と思った。この感覚を味わえるのがフジロック。
山下達郎が手掛けた竹内まりやの「プラスティック・ラブ」カバーでは、2コーラス目から竹内まりやが参加。何十年と時間が経っても全く色褪せることのない音楽を作り、その自分の曲が語り継がれるのを生きているうちに味わえた人たちによる、洗練された演奏という状況含めてとても格好良かった。その後は、竹内まりやがコーラス隊に参加し「RIDE ON TIME」や「恋のブギ・ウギ・トレイン」などを演奏した。


BARRY CAN’T SWIM

GREEN STAGEから移動し、音楽プロデューサーのジョシュア・マニーによるBARRY CAN’T SWIMがライブするWHITE STAGEへ移動。ステージから降り下ろされるレーザーが観客を照らし、完全にクラブ仕様になっているWHITE STAGEは数秒前と全く別の熱気に包まれていて、とてもワクワクした。
DJパフォーマンスをベースとしたセットになっていたが、その中でもパッドを叩いたりとライブ感を意識した演奏で、フィジカルで感じるハウスのグルーヴに身を委ねることができた。
この日の雨が降る直前、ラッキーなことにBARRY CAN’T SWIMのMVに登場するオフィシャル・マスコットが歩いているのを見つけて写真を撮ってもらった。可愛い。


VULFPECK(米)

ヘッドライナーとして登場したのが、ロサンゼルスを拠点とするファンク・バンドのVULFPECKである。ベーシストのジョー・ダートや、ギタリストのコリー・ウォンがステージ上を軽やかに動きながら演奏。ジャック・ストラットンが着ている法被に“抹茶ヴァイブス”と書かれていたが、これはどんなヴァイブスなのだろう。皆が楽しそうに演奏しており、ステージ全体が自由でハッピーなムード全開なのが、ここまでの疲れを忘れさせてくれる感じで好印象だった。



FOUR TET(英)

そのころFOUR TETは、DJパフォーマンスでWHITE STAGEにエレクトロニカを降り下ろし続けていた。BARRY CAN’T SWIMに引き続き、ストイックな四つ打ちの連鎖、音圧豊かな低域に合わせ動きまくるレーザーによって、会場の熱気がどんどん上がっていく。キックのダイナミックな音像と情緒的な歌のメロディが夜の森を駆け巡るのは美しい光景だった。
この日はこの後に深夜帯のRED MARQUEEに出演したパソコン音楽クラブへ取材を敢行。5時ごろにシャトル・バスの始発に乗車したため、宿に戻って眠ったのは8時ごろとなった。この日は宿の手配がギリギリになり大広間で睡眠。
『FUJIROCK FESTIVAL’25』7/27(3日目)

朝起きたら、誰もいなかった。時刻は11時半、マッハで着替えてチェック・アウトを済ませる。フジロック最終日にして、ぼっち参戦に逆戻りである。

Mei Semones(米)

ミシガン州アナーバー出身で、日本人の母を持つシンガー・ソングライターのMei Semones(芽衣シモネス)がフジロックで初来日、ヴァイオリニストなどを含むバンド・メンバーを引き連れて穏やかな昼間にふさわしいメロウな演奏をしていた。

ボカロ曲のカバーからクラシックの名曲まで演奏したピアニストのまらしぃ、韓国の4人組ロック・バンドSILICA GELは鳴きのギターとシンセを森に轟かせた。SILICA GELのシンセ・ボーカルのキム・チュンチュは、SEQUENTIAL(Dave Smith Instruments)Prophet X、Prophet 12などを手弾き。
Creepy Nuts(日)

GREEN STAGEの大きなステージに、世界で一番のDJと日本一のラッパーが堂々登場。R-指定がMCで語ったように、Creepy NutsはROOKIE A GO-GO出身者である。新人ステージへの参加から、フジロック最大のステージまで登り詰めた彼らのドラマはあの場にいた観客全員の明日に勇気を与えていたと思う。「Bling-Bang-Bang-Born」や「合法的トビ方ノススメ」などを披露し、DJ松永の華麗なDJタイムも挟み込まれ、Creepy Nutsの短いパーティーへ観客皆で参加したような一体感を味わった。


YONLAPA(タイ)

新ステージORANGE ECHOは、WHITE STAGEの入り口から道を逸れて奥へと歩いて行ったところにある。タイのポップ・バンドYONLAPAはほろ酔い気分にちょうど良いカラッとドライなサウンドのエレキギターが、ゆるやかメロディを奏でていた。ステーキ丼を食べながら鑑賞。
LITTLE SIMZ(英)

UKのラッパーLITTLE SIMZは、サングラスと日本のサッカーのユニフォーム姿で登場。このミニマルなバンド編成で奏でているとは到底思えない、音圧豊かで多彩なサウンドたちが届く。アフロからソウル、ロックまで、同じ楽器で表情豊かなリズムが、LITTLE SIMZのハイテンションなラップや歌声の魅力を素朴に調理しているようなまとまり方がとても良かった。


kanekoayano(日)

カネコアヤノ率いるバンドkanekoayanoは、数年前から挑戦し始めていたシューゲイザーなどを含む楽曲を展開。以前よりもボーカルがバンドに溶け込んでおり、歌の中に込められたメッセージを集中して届けるスタイルだけでなく、彼女の今好きなムードを体感できるような演奏に仕上がっているように思う。観る側も純粋に、心を解放して陶酔できるようなライブだった。


RADWIMPS(日)

令和のお茶の間のスターとしてのRADWIMPSを象徴する曲、NHK連続テレビ小説『あんぱん』主題歌「賜物」から始まった。会場全体で合唱をし、歌モノとしての強度を感じさせたのが「スパークル」、往年の名曲である「おしゃかしゃま」など、長年のファンや以前のRADWIMPSに耳馴染みがあるリスナーも喜ぶセットリストで、苗場は最後の夜を迎えた。


羊文学(日)

塩塚モエカの伸びやかな歌声、河西ゆりかのコーラスとのハーモニーの美しさが、歪みとディレイの効いたギター・サウンドとのはっきりとしたコントラストを描き出している。シューゲイザーが持つ心地良い浮遊感、ノイジーなサウンドで快楽的なリフレインを描く表現に、彼女たちの創造性と強い意志が感じられた。
(以降の演奏者については、帰宅するために泣く泣く鑑賞を断念した)
総括
山下達郎によるGREEN STAGEでの演奏は、これまでに見たことのない景色を作り出していた。また、SILICA GELやBALMING TIGERなど、韓国のロック勢の制約を感じさせない自由な編成、ジャンルに囚われ過ぎない曲のラインナップなどは、隣国でありながら異なる思想を感じさせるところがあったように思う。FRED AGAIN..とVULFPECKなど、初来日のヘッドライナーも渋みがあって良かった。国内アーティストの充実感により、若者にとってのフックも用意したブッキングを見ると、来年にも期待感が高まる。
そして、フジロックに参戦ぼっち参戦してみて、意外と快適という事実に気が付けたのも良かった。次は健康な肉体でフジロックぼっち参戦してみたい。
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