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Text:Nana Numoto

プロセカ・キャラ花里みのりの声も務める小倉唯は、“初音ミクの中の骨の人”? これは小倉唯さんを通してモーションアクターという職業を知ることのできる記事です。

初音ミクの中の骨の人を通してモーションアクターを考える

初音ミクと深い関連性がある声優の1人=小倉唯とは?

https://twitter.com/yui_ogura_815

 2007年にVOCALOIDとして登場して以来、根強い人気を誇る初音ミク。2020年には『プロジェクトセカイ』(Project SEKAI)と称するメディアミックスプロジェクトも登場し、中核となるアプリゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』(以下、『プロセカ』)はZ世代からの根強い支持を誇っている。その『プロセカ』のキャラクター、花里みのりの声優を務めるのが小倉唯だ。

プロセカ内アイドルユニット=MORE MORE JUMP!の主人公花里みのり(https://pjsekai.sega.jp/character/unite02/minori/index.html)

そして彼女は声優を務める以前から、初音ミクと深い関わりがある。実は小倉唯は初音ミクの“骨の人”だったのだ。

(https://www.nicovideo.jp/tag/%E5%88%9D%E9%9F%B3%E3%83%9F%E3%82%AF%E3%81%AE%E4%B8%AD%E3%81%AE%E9%AA%A8%E3%81%AE%E4%BA%BA)

 2009年に発売されたPlayStation Portable専用ソフト「初音ミク~Project DIVA~」では、初音ミクが音源に合わせて踊る3D映像が話題となった。その3D映像を作るにあたり、モーションアクターを務めたのが、当時まだ13歳の小倉唯である。抜擢の理由は、身長や年齢が初音ミクと近いことに加え、小倉自身ダンスが得意なことだった。

(参照:『みっくみくにされるファン続出!? 初音ミクの「中の人」が自ら投稿した「踊ってみた」動画が話題に』https://nlab.itmedia.co.jp/games/articles/0907/15/news105.html

 当時、小倉がセガ本社前で「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」の「踊ってみた」を撮影しニコニコ動画に投稿した際には、動画は瞬く間に再生数を伸ばし、ニコニコ動画内のランキングでも総合ジャンルのデイリーランキングで1位を獲得。筆者としては、その小倉が時を経て、またも初音ミクのプロジェクト、『プロセカ』に関わることが感慨深い。

 『プロセカ』ユーザーの70%強がZ世代であることを加味すると、多くのユーザーは14年前に小倉が初音ミクの骨の人をやっていたことを知らずにプレイしていることになる。こうして次の世代もまた初音ミクを好きになり、ボカロ文化の新しい世界が拓かれていくことに熱い気持ちになった。

 ちなみに、初音ミクの骨の人を担当したのは、小倉だけではない。ほかにも振付/モーションアクターの師となる福島桂子をはじめ、能登有沙や荒木結花などが名を連ねている。

(参照:『初音ミク、アイマス、ウマ娘の「モーション」を担う会社ができるまで』https://weekly.ascii.jp/elem/000/004/079/4079319/

能登は現在もモーションアクターの仕事をしており、『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』や『プラオレ!〜PRIDE OF ORANGE〜』などの楽曲で振付・ダンスアクターを務めている。

また、荒木結花は、Vtuber人気が加速する時代性を味方につけモーションアクターやダンサーをメインの仕事として発信しており、人気Vtuberのキズナアイや星街すいせいなどのライブでの振り付けやモーションアクトのディレクションを担い、生身の人間とは違った視点のパフォーマンスを監修しているのだ。

 “動く初音ミク”の存在はZ世代にとっては、もはや「当たり前」のことかもしれないが、「初音ミク~Project DIVA~」の登場と、小倉唯の踊ってみた動画は当時のボカロ好きにとっては非常に革新的な存在だった。今後も需要が増えるであろう“モーションアクター”に注目しつつ、小倉を筆頭に初音ミクの中の“骨の人”を務めてきた人々の活躍を見守りたい。

※VOCALOID(ボーカロイド)ならびにボカロはヤマハ株式会社の登録商標

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