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企画:Mizuki Sikano(plug+編集部)、design:suco、Art by Rella © CFM

2023年8月31日に16歳を迎える初音ミク。発売してから16年の間に、初音ミクはどのようにクリエイターを刺激し、ボカロの文化を発展させてきたのだろう?

 

今回はボカロ黎明期や現代で活躍している、ボカロPと歌い手たちにとって大事な初音ミクの思い出曲とその魅力を聞く。

超学生の思い出に残る初音ミクが歌う曲は?

超学生

【Profile】弱冠21歳、2001年生まれ。ネット・シーンで人気を集めるボーカリスト。11歳のころに初の歌ってみた動画を投稿して以来、コンスタントに動画投稿を続け、現在は週1本のペースで新作動画を公開している。YouTubeでのカバー曲総再生数3億6000万回以上。ベネチアン・マスク越しに覗く端正な顔立ちと、それに相反するような“ガナリヴォイス”が持ち味。

超学生の思い出に残る初音ミクが歌うボカロ曲

r-906「まにまに」

虻瀬犬「親愛なるあなたは火葬」

MARETU「コインロッカーベイビー」

●最も印象深い曲:虻瀬犬「親愛なるあなたは火葬」へのコメント

頭の中でモヤモヤと絡まった思考/トラウマ/情緒をここまで丸ごと音楽で表現しているのは素晴らしいと当時衝撃を受けました。今回は「最も印象に残っている」曲ということでしたのでこちらを選出いたしました。

メロディだけを見ると明るくて歌詞の口調も決して攻撃的なものではありません。しかしそうでありながらどこか宗教的で不穏なワードチョイスや、純粋無垢な視点から描かれる狂気が節々の歌詞/MVから垣間見え、さらに誰かの思い出の中を覗いているかのようなノスタルジーのミスマッチさが癖になる曲だと思っています。

楽曲自体は最後悲劇的で壮絶な終わり方をしますが、その直後のピアノと息切れした呼吸音につなげるセンス、圧巻です。

ずばり、初音ミクの魅力は?

一番、“役者性が高いところ”だと思います。 アニメキャラクターや洋画の吹替版を観たときに、なんとなく担当している声優さんや俳優さんの顔が浮かぶことってあると思うのですが、初音ミクにはそれをあまり感じません。要するにMVにどんなキャラクターが主人公として登場してもシームレスにそのキャラクターの声として受け入れやすいということです。

もちろん意図的に「初音ミク」が主人公として楽曲を描いている場合は別ですが、作曲者の思い描いているキャラクターがノイズなく聴者にも伝えられる柔軟性は、初音ミクの大きな魅力の一つだと思います。



ニコニコ動画で「親愛なるあなたは火葬」を視聴する

「初音ミク Happy 16th Birthday –Dear Creators-」とは

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Art by Rella © CFM

「初音ミク Happy 16th Birthday –Dear Creators-」は、2007年8月31日に設定年齢16歳の歌声合成ソフトウェアとして誕生した『初音ミク』が、発売されてから16年を経たことを記念に始動したプロジェクト。

作品を創り/楽しみ/愛してくれるすべてのクリエイターと一緒に、創作文化の未来を育んでいけるような企画を実施するという。

■公式サイト:https://piapro.net/miku16thbd/

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