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“ボカロPになってみたい!”そんな風に考える読者の皆さんのために、新世代のボカロPが、使用しているプラグインやおすすめのソフト音源をレビューする企画。サウンドチェックもできるので、ぜひ音楽制作のヒントをゲットしてほしい。

SAKURAmoti おすすめプラグインTOONTRACK EZkeys 2

 どうも、ボカロPのSAKURAmotiです。まだ秋なのに寒さでキーボードを打つ手、弾く手がかじかんで困っています。

 今回ご紹介するのはTOONTRACKのピアノ音源 EZkeys 2 です! ピアノをルーツとして作曲を始めた人間として、存分に魅力を伝えていきたいと思います!

TOONTRACK EZkeys 2とは?

 このEZkeys 2は、Superior Drummerなどのソフトウェアが有名なTOONTRACKが今年の5月にリリースした比較的新しいピアノ音源です。

 “イージー”と謳うだけあり、ほかのメーカーのプラグインに比べて簡単に触ることができる上、クオリティの高いピアノ・トラックを簡単に作るためのあらゆる機能が搭載されています。

 ピアノ経験者はもちろん、ピアノを弾いたことがない方に特におすすめしたいプラグインです!

 これは、EZkeys 2のメインとなる画面。右上Basicと書かれている場所からプリセットを選び、その下にあるEffectsをクリックして軽く音作りをすることができます。

 プリセットの一覧。さまざまなジャンルに合う、多様な音色が用意されています。今回僕はBright Grandを使用してデモを作りました。

 EZkeys 2の目玉機能の一つであるGrooves。MIDIフレーズが多数収録されています。ベース音源やドラム音源でよく目にするけれど、ピアノ音源ではなかなか珍しい機能です!

 EZkeys 2からの新機能であるSuggest Chordsは、コード進行を考える手助けをしてくれる機能。コード進行の候補を表示してくれるほか、完全にランダムでコード進行を作ってくれる機能まで搭載されています!

 こちらはGrid Editor。DAWで打ち込んでインポートしたMIDIや、Groovesから読み込んだMIDIを細かく調整することができます。ベタ打ちのデータを、人が弾いたかのように加工することも可能です。

 こちらはBandmateという革新的な機能。コードやドラムのMIDIや音声ファイルをドラッグアンドドロップすると、それに合ったピアノ・トラックを生成してくれます。文字通り、EZkeys 2が自分のBandmateになります!

EZkeys 2サウンド・チェック

 では早速、プリセットの音色から聴き比べてみましょう。軽く弾いてみましたので動画をご覧ください!

 イージーなプラグインと聞いて「安っぽい音がするのでは……そしたらなんて書こう……?」という勝手な心配をしていたのですが、いざ触ってみると「高品質なピアノをできる限り取っ付きやすくしている」プラグインでした! 実用性が高く、ポップスによく合いそうな重過ぎない音。弾き心地も素晴らしく、特に高音部分の響き方にメロメロになってしまいます。

 今回3種類の音色を選んでみました。動画内ではEffectsを触っていますが、とても自然に音が変わってくれるので、自分がイメージした音を作りやすいのもポイントです!

■プリセット名:Basic

■プリセット名:Bright Grand

■プリセット名:Big Ballad

EZkeys 2のGrooves機能を使ってみよう!

 次に、目玉機能の一つであるGroovesを見てみます。たくさんのジャンルのMIDIが入っているので、幾つか聴いてみましょう。クオリティが本当に高いので、ピアノは自分で弾けるのですが、弾かずにここからそのまま使ってもいいかなという気持ちになります。

■Name:Intro 02(Family:Boogle 12 Bar Killer 156 BPM)

■Name:Variations 04(Family:Ostinatos 4 160 BPM)

■Name:Pre Chorus 04(Family:Mid 94 BPM)

 また、Replace MIDIという機能も搭載されています。これは、Groovesから選んだMIDIのコード進行を、自分で入力したコード進行へと簡単に置き換えることができる機能です! かなり自然に置き換わるので、とても使いやすいです。

Groovesから選んだMIDIデータ
Groovesのコード進行をReplace MIDIで自分のコード進行に置き換えたもの

EZkeys 2のSuggest Chordsでコード進行をアレンジしてみよう!

 EZkeys 2から新たに搭載されているSuggest Chordsについても見ていきましょう! コード進行を考えたり、今ある進行をアレンジして新しいコード進行にしたりするときに助けてくれるお役立ちツールです。

 今回は、Groovesから選んだこちらのデータを、新たなコード進行に変身させてみようと思います。

Groovesから選んだピアノ演奏

 このコード進行をSuggest Chordsで表示したときの画面はこんな感じ。

 元データのコード進行がOriginal(画像赤枠内①)に、“こんな風に進行したら良い感じだよ!”とEZkeys 2が考えてくれたコードたちがその下のSuggest(画像青枠内②)に、ずらっと並んでいます。

 あとは、Suggestの中から好きなコードを選ぶだけで、簡単にコード進行を変えることができます! 僕はこんな感じの進行にしてみました。

Suggestの中からSAKURAmotiが選んだコード

 特にコード進行を使いこなすのが難しいと感じている方におすすめできる機能だと感じました。

 また、自分で考えずにコード進行を作ることも可能。なんと“Change Chords”をクリックすれば、ランダムにコード進行を生成してくれます! ゲームのガチャを回しているみたいで楽しいです。何度もポチポチ押しているうちに出会ったのがこんな進行。最後のFm6がいい味を出しています……。

Change Chordsを使って変更したコード進行

EZkeys 2のBandmateで簡単ピアノ・アレンジ!

 最後に、Bandmateについてご紹介します! “読み込んだ音声ファイルやMIDIに合ったピアノのフレーズを提案してくれる”という、ほかのピアノプラグインにはまず見られない機能です。

 今回は、僕が用意したこちらのインスト楽曲にピアノを入れてみようと思います。

SAKURAmotiが用意したインスト音源

 僕はまず、この楽曲からアコースティック・ギターのみのファイルを書き出して、読み込ませて、ピアノを生成させてみようと思います。仕様上楽曲を丸々読み込ませることができないようなので、できるだけ音の認識がしやすいファイルの方が良い結果になりやすいようです。

 “Bandmate”の“Drag audio* or MIDI here”に、先ほど書き出したアコースティック・ギターの音声ファイルをドラッグ・アンド・ドロップします。

 すると分析が始まり、分析が終わると音声ファイルについての情報を入力するウィンドウが表示されます。すべて答えてからOKをクリックすると……音声ファイルのコードやリズムが認識され、Grooveからピッタリなピアノが提案されます!

今回SAKURAmotiがBandmateで提案されたピアノフレーズ

 楽曲に合っている順に提案されるので、自分好みのピアノを簡単に探すことができます。オクターブを変えたり、弾く強さを変えたりしてさらに自分好みにカスタムする、なんてこともできます。

 僕も良い感じのピアノを作ることができました。

今回SAKURAmotiがインスト音源に採用したピアノ

 出来上がったらDAWにドラッグ・アンド・ドロップしちゃいましょう! ピアノの入った楽曲がこちらです。楽曲がより華やかになりました!

EZkeysのピアノが入ったインスト音源

SAKURAmotiから最後に

 いかがでしたか? ここまで便利な機能がたくさん含まれていて、かつ簡単に使うことのできるピアノ音源はほかにないと思います! まさに初心者からプロまで、幅広い人におすすめできるピアノ音源です。

 季節はもうすぐ冬。寒さで手がかじかんでピアノを弾くのが億劫になってしまっても今年は大丈夫。この冬はEZkeys 2のGroovesで乗り切ろうと思います……以上、SAKURAmotiでした。

TOONTRACK EZkeys 2情報

■価格(DL版):オープン・プライス(市場予想価格:22,000円前後)
■URL:https://sonicwire.com/ezk2

【Requirements 】
■Mac:
OS X 10.10以降、AAX/AU/VST3対応のDAWソフト(64ビットのみ)
■Windows:Windows 10以降、AAX/VST3対応のDAWソフト(64ビットのみ)
■共通:スタンドアローンで動作。8GB以上のRAM

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