企画・インタビュー:Mizuki Sikano(plug+編集部)
目次
ASMRにおすすめなペンシル・マイク
先ほどのサイドアドレス型コンデンサーとは異なり、基本的にスモール・ダイアフラムを装備するのがペンシル・マイクの特徴。レコーディング業界ではよく生ドラムのシンバルの録音に使用されることからも分かるように、至近距離での大音量に耐えられるのがメリットです。
耐入力レベルが高いので、ASMRで大事な質感の再現を担う「トランジェント(編注:音の立ち上がりの瞬間)」を大きく録ることもできるでしょう。
ペンシル・マイクは、録音後のノイズ処理でもメリットを感じるマイクです。ペンシル・マイクは収音できる周波数レンジが広いのに、収音可能音場は比較的狭め。そのため、環境ノイズなどを拾いにくいのがASMRに向いていると思います。
マイクを2本立ててLRを作るので、分離感をはっきりと演出できるのも特徴。ASMRネタで言えば、“脳内貫通系サウンド”などを録りやすいマイクです。今回は「両手でティッシュを持って割く音」で比較をしていきます。
ZOOM ZPC-1
ZPC-1に付属しているウィンド・スクリーン(スポンジ)がしっかりとしているのと、黒のボディが格好良いと思います。RODE NT5と比べると、重心を少し下げたチューニングで重みを感じるサウンドです。
値段も高くなくコスト・パフォーマンスに優れているので、ペンシル・マイクの入門機材として最適ではないでしょうか。
ZOOM ZPC-1
オープン・プライス(市場予想価格:18,000円前後/ペア)
重量:109g(1本) 指向性:単一 出力:XLR
製品情報: https://zoomcorp.com/ja/jp/microphones/microphones/zpc-1/
RODE NT5
私が愛用しているペンシル・マイクです。音の輪郭がしっかりとしていて立体感があるので、比較的音像を感じやすいのが魅力だと思います。ミックス処理の段階では、ノイズの少なさも魅力だと思いました。
RODE NT5
定価:38,500円
重量:101g(1本) 指向性:単一 出力:XLR
製品情報: https://rode.com/ja/microphones/studio-condenser/nt5
購入用リンク:https://www.digimart.net/search?brandnames=RODE&keywordAnd=NT5
ASMRにおすすめなハンディ・レコーダー
ハンディ・レコーダーには大きく「リニアPCM」と「ICレコーダー」と2種類あります。
一般には「MP3などの圧縮方式でファイル保存される」ICに対して、リニアPCM は「WAVといった非圧縮のファイルで保存される」ので音質の良さがメリットです。今回はリニアPCMレコーダー3種類を見ていきましょう!(編注:ICレコーダーと謳われる製品にも、非圧縮録音できるものが一部あります)
ハンディ・レコーダーは、音声収録とファイル保存できるお手軽さから、ASMR動画で最も使われる機会の多い機材です。
操作も簡単で、メーターを見て入力レベルの調整をしてボタンを押せばすぐに録音開始できます。今回は「シリコン耳かきで撫でる音」で比較をしていきます。
TASCAM DR-07X
ASMRで使われているのをよく見る王道のレコーダー。マイクが可動式なので、A/B、X/Yに切り替え可能です。音に癖は無く、比較的タイトな印象。これ一台ですぐASMRを始められるのと、価格的にも手を出しやすいので初心者の方におすすめです。
TASCAM DR-07X
オープン・プライス(市場予想価格:19,800円前後)
重量:127g 指向性:単一 出力:USB micro B(5ピン)、ステレオ・ミニ(3.5mm) 記録メディア:microSD(64MB~2GB)、microSDHC(4~32GB)、microSDXC(最大128GB)
製品情報: https://tascam.jp/jp/product/dr-07x/
ZOOM H6
ASMRを始めたときに、最初に買った機材なので、もはや相棒です(笑)。操作がシンプルで分かりやすいのが魅力で、音は爽やかだなと感じています。コンプやリミッターをかけずに録るとレコーダー特有の感じがなく良いです。付属の風防がしっかりしているのも、うれしいポイント。
ZOOM H6
オープン・プライス(市場予想価格:37,000円前後)
重量:280g 指向性(マイク・カプセルZOOM XYH-6):単一 出力:USB mini B(5ピン)記録メディア:microSD(16MB~2GB)、microSDHC(4~32GB)、microSDXC(64GB~1TB)
製品情報: https://zoomcorp.com/h6
TASCAM Portacapture X8
TASCAMのレコーダーの最新が詰まっている!という感じです。最高32ビット・フロートで録音できるのは、音を録る人にとっては一つの安心材料ではないでしょうか。クリアで癖がなく、ミックスで扱いやすい音質です。
タッチ・パネルが付いており、ステレオの入力状態を視覚的に確認できるASMRモードを用意していたり、マイクが脱着式かつ可動式でA/B、X/Yに切り替え可能だったりと、ユーザビリティに優れたレコーダーだと思います。
TASCAM Portacapture X8(ポータキャプチャー エックスエイト)
オープン・プライス(市場予想価格:75,680円前後)
重量:381 g 指向性:単一 出力:USB Type-C、ステレオ・ミニ×2(3.5mm、ヘッドフォン/ライン出力) 記録メディア:microSD(64MB~2GB)、microSDHC(4~32GB)、microSDXC(48~512GB)
製品情報: https://tascam.com/jp/product/portacapture_x8/
18製品のレビューを終えて……
18種類を実際に試してみて、マイクごとのチューニングの違いが感じられるとともに、香水瓶で撫でたときの音のような違いが出たりするのも面白いと思いました。
そうですね。マイクの収音範囲など、元々持っているスペックが音に作用するのはもちろんですが、ASMRにおいては”マイクのポップ・ガード”や“バイノーラル・マイクの耳の中のスポンジ”などの素材によっても音が変わってくるんですよね。今回のような比較企画がない限りは、購入前に知るのは難しい部分だと思います。
ASMR用機材の購入を検討している方は、ぜひこの動画をみて見ていただけるとうれしいと思います!
最終回は、ASMR音声編集/ノイズ処理についてです!
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