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文:Mizuki Sikano(plug+編集部)

2022年も残り1日! 今年出会った最高のボカロ名曲に、あらためて想いを馳せる頃合いだろう。そうすると2022年“プロにめっちゃ刺さった”ボカロ曲はどんなものだったのだろう?と気になる人も居るのではないだろうか。

今回は、ボカロP、歌い手、クリエイターとして大活躍している15名に「個人的に魅力を感じたボカロ曲」をアンケート形式で教えてもらったので、ぜひチェックしてみてほしい。

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2022年を通して聴かれた曲を動画再生数で選んでみました。

2022年プロの心にめっちゃ刺さったボカロ曲は何だった!?

※掲載は五十音順になっています

+α/あるふぁきゅん

【Profile】女声から男児声まで何十種類もの歌声で魅了する、超実力派女性歌い手。動画共有サイトに投稿した動画総再生数は8,000万回以上。

[2022年よく聴いたボカロ曲]

なきそ「甘ったる / 歌愛ユキ」

DECO*27「パラサイト feat. 初音ミク」

香椎モイミ「Elopement feat. 鏡音リン」


●特に格好良いと思う曲へのコメント
「Elopement feat. 鏡音リン」は“美しい”曲です。MVを見て泣けてくるんです。良い曲や目を引く動画で世の中はあふれていますけど、私が大切だと思うのはそういう部分ではないんですよね。“こんなに映画みたいな動画あるんだ……”と衝撃を受けました。本当に泣きましたよ。

音楽なんだけど、動画なんだけど、単純にそういうコンテンツのはずなのに、“まるで目の前に主人公が居るような”、曲の主人公たちを知っているような気分になり、切なくてたまらなくなりました。ずっと前から存じ上げている曲ですが、香椎さんを聴くきっかけになったのが「Elopement feat. 鏡音リン」です。いつも“次はどんなものを見せてくださるんだろう”と、香椎モイミ監督の続きが気になっています。

最近のボカロから受けた影響/刺激
なきそさんの「甘ったる / 歌愛ユキ」やDECO*27さんの「パラサイト feat. 初音ミク」は、歌詞がとても分かりやすくてスッと入ってきます。特に最近は難しく考えずとも意味が分かる音楽とMVがたくさんあるように感じていて、1人のリスナーとして共感しやすいし勉強にもなっています。動画でこれではライブだと、もっと伝わるだろうなぁとか。それから、なきそさん、DECO*27さん、香椎モイミさんの御三方は、音のクオリティがすごいから絶対ステージで盛り上がりますよね。音が心地良くて、さらに言葉が刺さる。刺激ばかりです。

アンメルツP

【Profile】活動歴15年目のボカロP 代表曲は、ゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』のコンテストを勝ち抜き、2023年6月の実装が決まっている『人生』、鏡音リン・レンを歌わせた楽曲『使えない部下 悩める上司』『お嬢様と執事の冒険』など

『人生 7バージョン収録アルバム / アンメルツP』
各種サイトでストリーミング配信中
https://karent.jp/album/3303

[2022年よく聴いたボカロ曲]

ごめんなさいが言えなくて「会いたいな / 鏡音リン」

IMO「笹紅のクレオパトラ」

cosMo@暴走P「ヤミナベ!!!!」


特に格好良いと思う曲へのコメント
ごめんなさいが言えなくて「会いたいな」は、 温度感が低めで落ち着きつつも、確実に耳へ、心へと染み込むサウンドを一貫して作っている姿勢が素晴らしく、活動5年にしてついにブレイク前夜まで来たと思います。 この楽曲は氏の得意とするミドルテンポの四つ打ちですが、歌詞の手法が常に斬新なチャレンジでした。最初から最後まで五文字縛りで、あいうえお作文的な試みもしている。それでいて絶妙な切なさを含むラブ・ソングに仕上がっているのが、本当にすごいと思いました。

●最近のボカロから受けた影響刺激
2022年は、楽曲を匿名で投稿するニコニコ動画のイベント「無色透名祭」が大きなインパクトを残しました。
ボカロ界にゲーム・チェンジを人為的に起こす試みだったとも言えます。 その一方、プロセカやボカコレなどのコンテストも活発になっています。 自分の活動の方向性に合わせて発表の舞台をより柔軟に選べるようになり、昨今、注目のAI創作も含めてさまざまなボカロの可能性に挑戦したくなるような一年でした。

ボカロ曲の作り方【STEP1:ボカロの歴史/ボカロPの作業/基礎知識】
アンメルツPが解説する、plug+記事『ボカロ曲の作り方!』 STEP1では、ボカロの歴史/ボカロPの作業/基礎知識 を紹介しています。全3回で今後、解説動画も公開予定。ぜひ、チェックしてみてください!

いかさん

【Profile】動画投稿サイトで活躍する女性アーティスト。女性とは思えないイケボとロリボイスを使い分け、1人で何役も演じ分ける。2016年からは別名義“松岡侑李”として、声優/俳優活動を開始し、マルチに活躍中。

松岡侑李の情報
スワロウ | 松岡侑李
活動情報
【Cover】メビウス – いかさん/IKASAN .。o○

[2022年よく聴いたボカロ曲]

Orangestar「Surges」

ピノキオピー「ノンブレス・オブリージュ」

ピノキオピー「セカイはまだ始まってすらいない」


特に格好良いと思う曲へのコメント
「セカイはまだ始まってすらいない」は、ふと聴いたときに、素晴らしいメロディー・ラインに思わず涙してしまいました。今このコメントを書くに当たって、あらためて歌詞もじっくり拝読しておりますが、やはり涙しています。 明るい部分のみを言葉にしているのではないにも関わらず、どうしようもなく……キラキラしているんです。ファンタジーなのに、現実を生きるワタシたちに向けて、力強く背中を押してくれる、そんな曲だと感じます。大好きな一曲です。

最近のボカロから受けた影響刺激
ボカロは、自分の音楽的ルーツでもあり、10年以上に渡って聴き続けています。まだまだ健在どころか進化して、拡大し続けている印象です。さまざまな友人から、コンテンツから、街でその楽曲たちに触れる度に、勇気をもらっています。 自分がこの後どういった生き方をしていこうが、そこに愛した文化はあって、帰る場所はあるのだなと。安心して自分もこのボーカロイド文化のように…進化をし続けたいと思えます!

Kai

【Profile】2004年生まれ、2021年活動開始のボカロP。代表曲「さよならプリンセス」は現在YouTubeとNicoNicoで累計500万再生を突破している。音楽制作の他に映像制作、デザインなども行っている。

Twitter
https://twitter.com/kaivcl

[2022年よく聴いたボカロ曲]

daraku「GEDO / 鏡音レン」

¿?feat.flower「ルシファー」

Kanaria「酔いどれ知らず」


特に格好良いと思う曲へのコメント
よく聴いたのは¿?shimonの「ルシファー」で、人生で一度も聴いたことの無い音、迫力、狂気を強く感じました。選んだ理由は、あくまで1人のリスナーとして初めて聴いたときにどう感じたのかを思い出したところ、「ルシファー」が真っ先に浮かんだからです。 どこがすごいかまでを語るのは恐縮なのですが、聴いているときだけ“自分が強くなった”かのように錯覚できる楽曲は、本当にウルトラ無敵最強ですよね。大好きな曲だと感じます。

最近のボカロから受けた影響刺激
最近は音楽を気軽に始められるようになったことからボカロPが大量発生(自分含む)しており、自分は気を抜くとすぐさまその波に飲み込まれて消えてしまうと思っています。この特定のボカロP、曲ではなく“大量にあふれかえっているボカロP、ボカロ曲”といった状況自体から、良くも悪くも強い刺激を受けていると感じます。

かいりきベア

【Profile】人間に近い思考力を持ち、ボカロ曲などの音楽を生むベア。不思議なギター・サウンドを武器に聴く者の心を侵食する。

リリース情報
【公式】 バグ/かいりきベア feat.初音ミク

[2022年よく聴いたボカロ曲]

立椅子かんな「kanata」

¿?feat.flower「ルシファー」

CASI 「藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁」


特に格好良いと思う曲へのコメント
「藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁」について、大変恐縮ではございますが、私の個人的な感想としてスゴイ点を語らせていただくならば、 圧倒的ハイクオリティのサウンド、アレンジ力、曲中に無駄な音や展開が一切無。 何度でも聴きたくなる心地良い歌声が作品全体の迫力をより引き立てており、イラストや動画も心を撃ち抜かれるものがありまス……。 曲終わりの演出にも頭が上がりませんし、あまりの才能に嫉妬してしまうばかりでス。

最近のボカロから受けた影響刺激
最近の曲はサウンドのクオリティが高く、私のような昔から存在する者では追いつくことのできない領域で、高次元の曲をホイホイと生み出している印象が強くありまス……。 次世代のスーパー・クリエイターたちに未来音楽業界をヲマカセし、音楽家を引退すべきとも考えつつ、負けず嫌い精神から皆様を“アッ!”と言わせられる楽曲リリースを目指して、ギター・キッズのような初心を取り戻しつつボカロPをしたいと思っておりまス。

きくお

【Profile】2003年に音楽制作を開始。ゲーム音楽や東方アレンジなどを手掛ける。2022年には、「愛して愛して愛して」がSpotifyにおいて、VOCALOID楽曲再生数世界1位を達成。

リリース情報
『きくおミク6』

[2022年よく聴いたボカロ曲]

フロクロ「黒塗り世界宛て書簡」

フロクロ「ただ選択があった」

KAIRUI「幽霊 (feat.初音ミク)」


特に格好良いと思う曲へのコメント
自分が音楽に求めるものは、新しい感性の扉を開けてくれる、高度な独創性です。 フロクロさんは音楽をパズルか何かのようにとらえているように感じられ、言語感覚、メロディ、コード進行、謎解きのような構成、パリッとした音、どれを取っても非常に独創的かつ高度で、論理的でありながら遊び心があり自由で、この人以外では聴けない切り口です。 KAIRUIさんは海/水の表現の深度が素晴らしく、ひたすらに耳が気持ち良いです。

最近のボカロから受けた影響刺激
イベント「無色透名祭」で深く理解しましたが、レベルの高い魅力的なボカロ曲がまだ見ぬ場所にたくさん埋まっていますね! インターネット音楽育ちですので、良いと思ったものは一つ一つ、素直に粛々と咀嚼/吸収し、混ぜ込んで作品としてアウトプットしています。 美味しいものをいつもいっぱいありがとう。よかったらお互いに情報交換でもしましょうよ。

北の打ち師達

【Profile】北海道出身の二人組男性YouTuber。愛称は“北打ち”。2010年から活動を開始し、人気楽曲などでパフォーマンスしたヲタ芸動画に定評がある。

動画紹介
【君の名は。】夢灯籠 / RADWIMPS ヲタ芸で表現してみた【北の打ち師達 × JKz】Dream lantern Light Dance

[2022年よく聴いたボカロ曲]

じん「想像フォレスト」

halyosy「Fire◎Flower feat. 鏡音レン」

164 feat.GUMI 「天ノ弱」


特に格好良いと思う曲へのコメント
halyosyさんはニコニコ動画の初期から数々の名曲を生み出していて、キャッチーなフレーズと心に残るメロディが大好きです。「Fire◎Flower feat. 鏡音レン」は、僕らの青春であり今でもテンションを上げたいときに必ず聴く、僕らの大好きな1曲です。

最近のボカロから受けた影響刺激
個人的に、最近のボカロは初期のニコニコ時代と比べて一般層に認知されていると感じています。例えばTikTokで流行っているのを見ると、ボカロも時代ニーズに合わせてきていると感じているので、動画制作をする際に参考になります。

SAKURAmoti

【Profile】2005年生まれのボカロP。現在放送中のアニメ『うる星やつら』のオープニング曲「アイウエ」を美波と共同作詞/作編曲している。

動画紹介
【373】[feat. 美波, SAKURAmoti] アイウエ / MAISONdes

[2022年よく聴いたボカロ曲]

ユギカ「エイス / 鳴花ミコト」

エイハブ「怪奇小説 feat.可不」

かめりあ「ヒアソビ (feat. 初音ミク)」


特に格好良いと思う曲へのコメント
最初に「怪奇小説」を聴いたときは、本当に衝撃を受けました……! ギター+ベース+生ドラムといういかにもロックな楽器構成ですが、巧みなサウンド・メイクと絶対に飽きさせない楽曲展開によって、安心感と新鮮さの両方を感じる独特な世界観を作っています。Aメロからサビまでメロディがずっと格好良くて、特にサビでの解放感は圧倒的です。間違いなく今年で一番格好良い“ボカロック”だと思います。皆さんもぜひ、一度聴いてみてください!

最近のボカロから受けた影響刺激
最近のボカロ曲は、短めに構成されていたり、1番と2番で曲調が大きく異なったりと、聴いている途中に飽きさせないような工夫をしている曲が多いです。
そうした曲の影響を受けて、ボカロ曲ではありませんが僕もMAISONdes(読み:メゾン・デ)さんで制作した「アイウエ」で1番と2番の曲調を大きく変えてみました。 最近の有名なボカロPの人は、皆飽きさせない展開を作るプロだと思うので、これからもたくさん吸収して楽しい楽曲を作りたいです!

じん

じん

【Profile】1990年生まれ、北海道出身。2011年より、自身の音楽プロジェクト『カゲロウプロジェクト』でボカロPとして活動を開始。作詞曲のほか、小説や脚本の執筆などクリエイターとしても幅広く活躍している。

リリース紹介
ヘンシン / じん【Official MV】

[2022年よく聴いたボカロ曲]

煮ル果実「ヘブンドープ」

まらしぃ × 堀江晶太(kemu) feat.初音ミク× KAITO「88☆彡 /

はるまきごはん蛍はいなかったfeat.初音ミク


特に格好良いと思う曲へのコメント
そもそも煮ル果実君の楽曲は軒並み好きなんですが、この「ヘブンドープ」からは執念というか、描き切ってやろうという怨念めいたものをすごく強く感じたんです。音楽に引き込まれるというよりかは、彼のデカダンスな世界観に閉じ込められるっていう感覚が近いです。傑作だと思いました。

最近のボカロから受けた影響刺激
インスタントに曲が作れる時代で、手癖に逃げるようなクリエイターも多い中、「ヘブンドープ」を始め鮮烈な曲たちに出会えたことは、自分にとっての幸福なんだと思います。もっと呪われないといけないと思い続けることができるのは、そんな曲たちに出会えたからです。

すりぃ

【Profile】2018年3月3日より活動する男性ボカロP。同日に発表した「空中分解」がニコニコ動画で初殿堂入りを果たし、その後もショート・バージョンで楽曲を聴かせる“60秒シリーズ”で活躍。また、Adoを始めとするさまざまなアーティストへの楽曲提供も行う。

リリース紹介
【本人が歌った】ラヴィ / すりぃ

[2022年よく聴いたボカロ曲]

エイハブ feat.可不「クィホーティ」

daraku「GEDO / 鏡音レン」

¿? feat.flower「ルシファー」


特に格好良いと思う曲へのコメント
「クィホーティ」は、恐ろしさの演出がすごいです。裏のリズムで鳴っているシンセの音色がこの世界観とマッチしていて、タイトルが出てくる印象的なサビのメロディが一度しか出ないのが実験的で、僕にはできないなと思いました。また前半ではタイトな裏拍のリズムのみと音数も少なかったのですが、後半からガラッと変わり、広がりのある音像と、歌詞やメロディから来る洗脳感が恐ろしさに拍車をかけているなと。 あと、映像とイラストを担当している鰓尾蕪さんの楽曲解釈や落とし込み方が素晴らしいです。

最近のボカロから受けた影響刺激
何曲も作っていると自分の中でテンプレートができてしまい、同じ構成になりがちですが、僕では思いも付かなかった手法が最近の曲から得られるので、どうにか咀嚼し、自分なりに作品に反映できればなと、新鮮な気持ちにさせてもらっています。

超学生

【Profile】2001年生まれ。ネット・シーンで人気を集めるボーカリスト。YouTubeでのカバー曲総再生数2億8000万回以上、ベネチアン・マスク越しに覗く端正な顔立ちと、それに相反するような“ガナリヴォイス”が持ち味。

リリース紹介
【超学生】Did you see the sunrise?

[2022年よく聴いたボカロ曲]

椎乃味醂「死んでしまったんだ/可不・結月ゆかり」

r-906「まにまに / 初音ミク」

青栗鼠「アクラシア(feat.可不)」


特に格好良いと思う曲へのコメント
どの曲も素晴らしいのですが“カッコいい”という要素において、一番刺さった楽曲は「死んでしまったんだ」でした。出だしのシンセ・ブラスから始まるヘビーなサウンドに風刺的な歌詞、そして中盤のVOICEROIDのナレーションへの展開など、リスナーの固定観念を揺らす表現技法が3分という短い時間に見事に詰まっています。大変刺激的でお気に入りです。

最近のボカロから受けた影響刺激
僕は歌を作るよりも歌わせてもらうことがほとんどなので、歌唱技術面で特に良い影響を受けたように思います。昨今のボカロ(ここではCeVIO AIやNEUTRINOも含みます)はAIが取り入れられたことにより飛躍的な進歩を遂げました。それにより、ボカロPの伝えたい歌い回しやニュアンス、感情表現までもがよりダイレクトにボカロの声に乗るようになり、従来のボカロの声以上に多くの学びを得られているように思います。

晴いちばん

【Profile】ほぼすべての楽器を独学でマスターし、DAWを変幻自在に使いこなすマルチなクリエイター。さまざまなアーティストから楽曲制作依頼を受ける、ティーン・ボカロP。

リリース紹介
ワンダールインズ / 晴いちばん feat.初音ミク

[2022年よく聴いたボカロ曲]

キタニタツヤ × はるまきごはん「月光」

雄之助「Awake Now feat. 初音ミク」

Aira「ルヴァンシュ」


特に格好良いと思う曲へのコメント
「月光」は『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』 の書き下ろしで、ボカロPのはるまきごはんさん、キタニタツヤさんのコラボ楽曲です。個人的に大好きなお2人のコラボだったので気に入るのは間違いなかったのですが、想像を超えて心に刺さりました。 ビートの組み方や音作り、秀逸なメロディ・ラインはどこを取ってもハイレベルなものになっています。一見、普段はジャンルが違う二人のボカロPの個性がぶつかり合い、面白い楽曲になっている印象です。

最近のボカロから受けた影響刺激
最近のボカロ曲のトレンドの1つとしてエレクトロニック・サウンドがあると思っています。それもゴリゴリのEDMだけではなく、キックだけ電子音でほかはアコースティックなものなど、種類はさまざまです。自分の場合、活動初期のころはバンド・サウンドのみを作っていましたが、そういったエレクトロ・サウンドを聴くたびに影響を受けて“自分も作ってみたい”と思うようになり、最近はEDM調の楽曲をよく制作しています。

ほしのディスコ

【Profile】1989年生まれの男性お笑い芸人/歌手。2014年からお笑いコンビ、パーパーとしても活動。2022年には、本名の“星野一成”で歌手デビューを果たす。

動画紹介
silent/SEKAI NO OWARIをほしのディスコ(パーパー)が歌ってみた#71
インタビュー記事(plug+)
ほしのディスコインタビュー

[2022年よく聴いたボカロ曲]

カンザキイオリ「命に嫌われている」

ピノキオピー「神っぽいな feat. 初音ミク」

Kanaria「酔いどれ知らず」


特に格好良いと思う曲へのコメント
「命に嫌われている」は“死にたい”から始まるメッセージ性の強い歌詞がすごいです。この曲を聴き終わった後、聴く前よりも前向きになれている気がします。笑いを取ろうとしてどんなに滑っても“とにかく生きようと思える”、心の支えになる曲です。

最近のボカロから受けた影響刺激
ボカロ曲はキーも高いしテンポも速いものが多く、ピッチもリズムも難しくて、歌えない曲が多いのですが、その難解さが歌い手心をくすぐって“いつか絶対に歌い切ってやる”という自分の向上心につながっているなと思います。ボカロPの皆さま、素敵な楽曲をいつもありがとうございます。いつか私をボーカロイドとして、楽曲提供していただけたらうれしいです。

みきとP

【Profile】2010年3月よりネット・ミュージック・シーンにて活動を開始。 スマッシュ・ヒット曲「ロキ」や「少女レイ」などのボカロ曲を生み出し、アニメの主題歌やミュージカル、アーティストへの楽曲提供も数多く手掛ける。

動画紹介
みきとP『 E S P R 』MV

[2022年よく聴いたボカロ曲]

100回嘔吐「最底辺の嫌がらせ/可不(KAFU)」

youまん「タイニーバニー … 鳴花ヒメ」

sasakure.UK「トンデモワンダーズ feat.初音ミク (+KAITO) 」


特に格好良いと思う曲へのコメント
「最底辺の嫌がらせ/可不(KAFU)」は、ずっと真夜中でいいのに。や、和ぬかなどの楽曲アレンジャーとしても活躍されている100回嘔吐さんの美味しいところがとても詰まった楽曲だと思います。 至るところに“美味い”が仕込んであって聴きどころ満載です。セクションごとのカウンター・メロディはお手本にしたいです。サビの譜割りも秀逸で格好良いと思います。無駄にハイキーに飛ばずストリングス・アレンジなどでメロディを補強しているところがプロいなーと。彼の経歴が気になります。

最近のボカロから受けた影響刺激
みんなDTM的な“凝り”がすごいなって思います。たくさん曲を作っていると、細かいギミックがだんだん小手先の演出っぽく思える一方で、それには積み重ねという名の“覇気”が現れてくることを、あらためて思い出している昨今です。 DTMは楽しいのである。


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