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上達のヒント

Text:Mizuki Sikano

夜になってきました。ラスト・スパート!

SYD(読み:シド)

RED MARQUEEの20時10分から登場したのは、LA出身のR&Bバンド=ジ・インターネットのボーカリストSYD。RED MARQUEEにはジ・インターネットを愛する老若男女でパンパンに人が入っていた。今回はソロ出演でバック・ミュージシャンも2人というミニマルな編成だったが、同期なども駆使して、ステージ上でベースやシンセなどを演奏。中でもシンセはアナログらしい太い音像が振動とともに伝わってきて、耳心地が良かった。ちなみにベースのSimba scottは、MOOG Minimoog Voyager Performer Editionを演奏。

最後の曲として披露したのは、ジ・インターネットの楽曲の中でも人気が高い「Girl(feat. KAYTRANADA)」。この締めにはフロア全員大いに盛り上がった。

VAMPIRE WEEKEND(読み:ヴァンパイア・ウィークエンド)

21時10分のGREEN STAGEには、もう大トリVAMPIRE WEEKENDが登場! ステージ上にはアルバム『Father of the Bride』のジャケットのメイン・モチーフでもあった巨大な地球儀が登場。新旧さまざまな楽曲を披露してくれたのだが、「A-Punk」も「This Life」もカラッとしたカリフォルニアの昼の海を感じさせるようなサウンド。これを受けてとにかくはっちゃけてノリノリな人が多いのは、まだ元気な人が多いからか、1日目の終わりを憂いている人もいるのか、夜型人間たちが目覚め始めているのか、どうなのだろう。視界は真っ暗だが、聴覚から来る情報で時差ボケしそうなステージだった。

筆者はキーボード機材の判別がつかなかったが、ACE TONEのオルガンとKORG Prologueらしきものが見えたと情報をもらっているので、彼らはライブごとに機材も異なるが、参考にしてみてほしい。

エズラ・クーニグ(g、vo)が抱えているのは、EPIPHONE Epiphone Sheraton Ⅱ。ESシリーズのギターを購入検討している方は、デジマートで探してみよう。

BONOBO(読み:ボノボ)

22時に奥へ奥へと歩いていくと、どんどんどんどん真っ暗だ。この時間になると、WHITE STAGEの重低音が山の中で艶っぽくロマンティックな雰囲気を醸し出すのが好きなので、ステージに向かいながらワクワクしていた。そんなステージのトリは、UKのDJ/エレクトロニック・プロデューサー、サイモン・グリーンことBonobo!

ライブでは、自身が弾くタイトなエレキベースと生ドラムなどのバンド・サウンドに、 シンセMOOG Subsequent 25、パッド付きのNORD Nord Drum 3Pなどの機材を使用し、美しく躍動感のある電子音楽を演奏。途中モジュラー・シンセも沢山演奏していたのだが、ディスプレイにもあまり映らず、現地で見ている限りはモード切り替えでLEDの色が変わるMUTABLE INSTRUMENTS Ringsの光が少し見えたぐらいだった。

もし彼の所有しているモジュラー・シンセを知りたい方が居たら、サンレコWebにインタビューがあるので見てみてほしい。

まとめ:山奥×シンセ・ベースのコンビ最高!

コロナ禍で国外の音楽家を招くことができなかった2021年を経て、やっと来日アーティストもラインナップに追加された2022年。そういう意味でフジロッカー(フジロックを愛するファンの愛称)の期待値も高かったようで、会場はどこのステージも比較的人で埋まっていてボルテージも高かった。

BONOBOや国内のD.A.N.など、コロナ禍で新たな楽器としてモジュラー・シンセを取り入れたアーティストもちらほら居た。また、どこに行ってアナログ・シンセがセットされていたような印象で、それをシンセ・ベースとして使用するシーンではその柔らかく、太く、倍音が豊かで、存在感のある音に、恍惚とさせられた。シンセ・ベースの有機的な感じと、山奥の天然リバーブ、そして日本の夏の湿度は相性がかなり良いんだと思う。

それにしても、人差し指で一つ鍵盤を押すだけでも、観客を唸らせるアナログ・シンセ……すごい、というかずるくないか! この音に完全に引っかかり、シンセ・ベースを弾きたくなった人はきっと筆者だけではないはず。2日目もワクワク……プチ予告ですが、またシンセばかりをご紹介します。

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