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Text:小町 碧音 ※メイン画像引用元:YouTubeサムネイル(リンクは文中)

TikTokでバズり続けるHoneyWorks「可愛くてごめん」

昨年9月初旬から国内外においてHoneyWorksの楽曲「可愛くてごめん」が話題になっている。主にトレンドのスイッチを入れたのが、TikTokユーザーだ。

同楽曲のヒロインは、HoneyWorksが手がける告白実行委員会及びTVアニメ『ヒロインたるもの!〜嫌われヒロインと内緒のお仕事〜』に登場する女子高生、ちゅーたん。TikTokにおけるバズ要素の一つでもあるテンポ感の良いサウンドが、何があっても負けない自己肯定感の高い歌詞の旨味を増幅させることで、ティーンの背中を押している。

@naenano

かわいく編集してくれるのまってます🥹!

♬ 可愛くてごめん (feat. かぴ) – HoneyWorks

「可愛くてごめん」のサビ頭「Chu!」の歌詞に合わせて“投げキッスをするダンス動画”がTikTok内でバズっており、そのほかにも自分磨きの歌詞に合わせたメイクアップ動画や、オタ活動画などバラエティーに富んだ動画も投稿されているようだ。

歌い手界隈でもカバー動画が多数

YouTubeでは、浦島坂田船のうらたぬき、天月-あまつき-などの歌い手が「可愛くてごめん」の歌ってみた動画を公開。

中でも注目したいのは、クレノア、Knight A – 騎士A -、いれいすなどの数多くのフォロワーを抱える歌い手グループが同楽曲の歌ってみた動画を投稿していること

歌い手グループの活動が「可愛くてごめん」とリンクする理由

ここで歌い手グループの在り方が「可愛くてごめん」とリンクする理由について触れていきたい。基本的に歌い手グループは、メンバーごとにイメージ・カラーが存在しており、それぞれが異なるキャラクター性を開示することで、個性をアピールしている。一方、目立てば目立つほど一方から嫌われる要素もあり、反対の声を生んでしまうこともある

このように、スポット・ライトを浴びているときはキラキラと輝く自分たちを表現し、裏ではさまざまな困難を抱えながら努力を重ねている歌い手グループの存在は、「可愛くてごめん」の主人公の心理ととてもよくリンクしているのだ。

「可愛くてごめん」の心理とは

例えば、1番のAメロの歌詞<私が私の事を愛して/何が悪いの?嫉妬でしょうか?/痛いだとか変わってるとか/届きませんね。そのリプライ>は彼らに飛んでくる反対の声に対する強気のコメントのようでもあり、サビの歌詞<Chu! ぶりっ子でごめん/虜にしちゃってごめん/ムカついちゃうでしょ?ざまあw>は、最大限の魅力を解放することで多くのファンを虜にしている歌い手グループの姿そのもの。

また、<ムカついちゃうでしょ?ざまあw>からは、強気なアティチュードも感じられる。

これら個性を尊重する「可愛くてごめん」の歌詞を、異なるキャラクター性/声色を持つ人が集まる歌い手グループが歌うことで、より大きな説得性を生んでいるのだ。

個性のための苦悩と肯定の楽曲が支持される

また同楽曲のほかにも、HoneyWorksが2019年6月に公開した、さまざまな苦悩や困難を抱えながらも前を向いてライブ・ステージに立つアイドルの楽曲「ファンサ」や、<やっぱ私が1番可愛いんだから>と歌う、ボカロPふじをの「我儘姫」など、個性を尊重している楽曲が存在する。

「可愛くてごめん」とそれらの楽曲に共通しているのは、ありのままの自分を肯定するとともに世の中を軽く笑い飛ばすスキルを持つことの大切さが描かれていること。個性がトレンドの鍵を握っている今の時代に舞い降りてきた「可愛くてごめん」が絶賛を博したのは必然のことだったといえるだろう。

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