企画:plug+編集部
台湾の電子楽器メーカーTAHORNG(読み:タホーン)が手掛ける折りたためる88鍵キーボードOripia 88(オープンプライス:市場予想価格21,780円前後)。1.6kgの軽量なボディを四つ折りにしてカバンに収納できるだけでなく、128音色もの内蔵音源と練習用のデモソングやリズムまで収録している優れもの。
今回はシンガーソングライター/トラックメイカーでTempalayのコーラス/シンセ担当としても活動するAAAMYYYに、Oripia 88を実際に使ってみてもらう。
目次
AAAMYYYがレビューするTAHORNG Oripia 88
“折りたためて持ち運べる88鍵”というコンセプトが面白い
まずはAAAMYYYにOripia 88という楽器を知った際のことから、実際に手元に届いて開封してみたときのファースト・インプレッションを聞いていく。
“折りたためて持ち運べる88鍵”というコンセプトが面白いなと思いました。四つ折りという新しいキーボードの形を提示する、魅力的なアイコンだと思います。
Oripia 88は四つ折りを解くだけでサクッとセッティングできますし、88鍵のMIDIキーボードなのに重くないです。カバンにもすっぽり入りますし、運びやすいのが魅力的だと思います。
Oripiaシリーズには、88鍵だけでなく49鍵のモデルOripia49(オープンプライス:市場予想価格18,150円前後)もラインナップされている。だがAAAMYYYはOripia 88の魅力を強く感じているようだ。
49鍵もすごく使えるだろうなと思うのですが、音楽を作る側の人間としては鍵盤数が多くて両手で演奏できるって、とても大きなアドバンテージになります。アンサンブルを弾きながらメロディを考えることができることと、選ぶ音色によっては88の音程の数だけ表現の幅が増えるので。
また鍵盤数の多いキーボードだと値段の張るものも多いが、Oripia 88は価格が2万円程度とお手ごろであることもポイント。
めちゃくちゃ安いですよね。私のような音楽制作をする人じゃなくても、普通にクラシックピアノを始めたばかりで、これからピアノの購入を検討していく方々が、一旦ピアノの鍵盤数に慣れるためや、練習の習慣を作っていくのにOripia 88を使う姿が想像できます。
USB給電によりスタンドアローン動作可能
Oripia 88にはバッテリーが内蔵されており、3〜5時間の充電で3〜8時間の演奏が可能だという。早速ケーブルを使って充電をし、電源をオンにして演奏してみてもらった。
左右2つの内蔵スピーカーから音を出せるので、パソコンや外部スピーカーを接続する必要が無く、スタンドアローンでの動作が可能です。これにより弾きたいと思ったときに、すぐ演奏を始められます。個人的にこのスピーカーから出てくるのが、レトロな電子キーボードをほうふつさせるかわいいサウンドでお気に入りです!
Micro-USB端子の隣にはヘッドフォンアウト(ステレオミニ)がある。ここにヘッドフォンをつないで出音の感触も確かめていく。
ヘッドフォンアウトからの音は奇麗で、よく聴くとサンプラーを介したときのような少しザラ付きのある成分も感じます。先ほどの内蔵スピーカーからのレトロな音質をあえて使うのも良いですし、パソコンにMIDI接続してDAW上で内蔵音源を鳴らすと、より高解像度で奇麗な音を楽しむことができます。
ピアノから効果音まで128種類の音色を選べる
全128種類の音色は、ホーンなどの管楽器から、ベースやギターなどの電子楽器、ストリングスやハープなどの弦楽器、三味線や琴などの和楽器、鳥の鳴き声など効果音もあって幅広い。パネル上の“Voice”ボタンを押し、矢印のボタンを押していくと音色が変わっていくようだ。
Oripia 88一台にいろいろな音が入っていて、飽きずに楽しめそうです。ピアノはどれも、バンドに合うような明るくて元気なサウンドだと思います。47番のハープの音は弦の揺れを感じる繊細なサウンドで、自分の制作でも使ってみたいと思う音色でした。26番のスティールギターの音色はクラビネットのような響きがして格好良いです。
AAAMYYYがさまざまな音色を試す中で、サンプリング音源×88鍵だからこそできる特殊な表現にも気が付いたという。
サンプリング音源なので、中央のドからピッチが高くなると音が速く、低くなると遅く再生されます。再生速度が変わることによって音質変化が起き、一つの音色でもさまざまな色合いを出すことができるのが魅力的だと思いました。ユニークな音を探すために88鍵が役立つなんて面白い発見です。特に124番の鳥の鳴き声は、ピッチが低くなると映画で聴ける“炎の音”のような感じがします。
次にパネル上の“Demo”を押すと30曲のデモソングを再生でき、“Accomp”を押すと128種類のリズムパートを流すことができる。その再生音に合わせて、鍵盤演奏を楽しめるのがポイントだ。
豊富なジャンルのデモソングが入っているので、アイディアに枯渇したときのメロディ作りに使えるかもしれません。デモソングを流しても、自分の演奏が埋もれないので練習しやすいなと思いました。キーやコードが入っているので、その縛りを意識しながらインプロビゼーションを楽しむことができると思います。リズムパートの方ならば、自分で好きなコードを弾きながら、より自由にアドリブの練習ができますね。
キーボード単体で使えるだけでなく、パソコンとつないでソフト・シンセを演奏するためのMIDIキーボードとしても機能するOripia 88。AAAMYYYはOripia 88を今後どのように使っていきたいのだろうか?
私は旅行先やピクニック、あとツアーの車の中や音楽フェス会場の楽屋に居るときなどに、音楽で暇つぶししたい瞬間があるんです。そういうときにOripia 88を取り出して、気軽に演奏しながらクリエイティブのマインドを広げられたらいいなと思います。もちろんパソコンにつないで制作にも、家の中で場所を選ばず自由に取り出して弾いたりもしたいです。
Oripia 88 製品情報
■鍵盤数:88 ■音色:128(GM音源) ■デモ:30曲 ■リズムパターン:128種類 ■付属品:専用バッグ、サスティーンペダル、USBケーブル(Micro-USB to USB Type-A) ■カラー:黒(OP88BK)、白(OP88) ■重量:1.6kg ■寸法:1320(W)×21(H)×126(D)mm(折りたたみ時:331 (W)×85(H)×126(D)mm)
■問合せ:ファインアシスト
■公式サイト:www.fineassist.jp
Tempalay『Booorn!!』
2023年5月31日デジタルリリース
https://tempalay.lnk.to/booorn
AAAMYYY公式サイト: https://aaamyyy.jp/
ツイッター:https://twitter.com/amy0aaamyyy
インスタグラム:https://www.instagram.com/amy0aaamyyy/
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