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ゼロから学ぶ

企画・インタビュー:Mizuki Sikano(plug+編集部)

ASMRは映像機材や技術も大事?

常に音や映像のクオリティのアップデートをする気持ちが、ASMRで大事だったりするんですね。

そうなんです。これはASMRに限らずYouTuber共通で大事なことかなと思いますね。ASMRは音をメインにしているけれど映像もとても大事なので、カメラや照明のアップデートも必要なんですよ。

私はチャンネル登録者数1万人をクリアしたタイミングでSONYのデジタル・カメラZV-1を購入しました。

ということは、iPhone 8で結構粘ったんですね。

はい(笑)。ZV-1は今でも使っていて、やっと慣れてきました。カメラを改善した後は、照明機材を置く場所などの改善が必要だと気付いて、次にはライティングの勉強をしました。

ASMRの映像のための照明セッティング方法

初心者に参考になりそうなライティング技術を具体的に教えていただけますか?

例えば、顔に影を付けたくない場合は正面のみにライトを置けばOKです。でも、顔半分に影を作ることで立体感を生み出したいときは、斜めからライトを当てるようにします。

さらに、映像のノイズを減らしたい場合には、撮影対象物を挟んで前方と後方に照明をセットします。よく後方にスタンド・ライトがセットされているおしゃれな部屋でトーク配信をしている方がいらっしゃいますが、あれはただお洒落なだけじゃなくて奇麗に映像を撮るための工夫でもあると思います。

①正面からライト②演出用ブラックライト③背後からのライト

女優さんのトーク配信をよく鑑賞してますが、気が付きませんでした! いろいろな勉強が必要なのですね。

私は元々映像や音楽制作などをしていたわけじゃないので、ASMRを始めてから自分で失敗して、ネットで調べて、勉強してを繰り返してきたんですよね。

それもあって、録音機材や各種ソフトをマスターするのにはだいぶ時間がかかりました。ここまで話してきたこと以外だと、独学でノイズ処理やピーク・レベルなどの問題に対応できるように音声編集の勉強もしました。

これらはYouTubeでソフトの解説動画を見ながら勉強をしたので、だいぶ時間を要しましたね。

ASMRの音声録音時に陥りがちなミスと対策

例えば、ピーク・レベルでは、まず“ピークという概念を知る→“対策を学ぶみたいな段階を踏む必要がありますよね。

まさに。最初は“ピークを打ってはいけない”と気付かずに何本も動画をアップしていました。

ある日、音に詳しい友人が撮影現場に来て“これピーク打ってるよ”ってさらっと言ってきて(笑)。それで初めてレベル・メーターが赤になっていると“音がひずむ”ことを知り、録音前のレベル設定に注意するようになりました。

録音するときのレベル設定で気を付けていることは何ですか?

簡単に言えば、“赤く振れないようにするです。歌声を出すよりも、ASMRで出す音の平均値ってかなり小さいんです。そのため過去の私は、ハンディ・レコーダーやオーディオ・インターフェース側でマイクのゲインを十分に上げた状態で録音していました。それにより、突発的なピークを多く発生させていたんです(下図)。今はピークを減らすために、かなり小さい音量で録音しています。

あとは撮影が終わってからピークを打っていると気付いたときは、リミッターやコンプレッサーなどのエフェクトを使って削ったり、逆にコンプで全体のレベルを持ち上げる手法も知りました。

単に音を録るだけでなく、細心の注意があったり、機材や処理での工夫があったりするんですね!

そうなんです。結構いろいろな失敗を経験して、より良い音にするために対策をしてきたなと思います。

実は、ノイズ対策のために家の引っ越しをしたんですよね。これからも研究し続けたいと思っています。カメラも新しくしたいですし、マイクはできる限りさまざまな種類を試したいです!

そんなきつねさんと一緒に、ASMR用マイクおすすめ18種類を使って比較してみる企画が待っているんです!

ワクワクしています。録音機材は沼ですからね。特にマイクはどれも個性があります。タイプや形状はもちろん、ポップ・ガードというマイクの頭に付いたあみあみの材質や、指向性という収音する方向の設定などもASMRでは生かしどころ……あらためて、本当に沼ですよ(念押し)。

大事なことなので2回言いましたね! 本企画は一緒にマイクを試してから、最後にミックスの方法についてもヒントを紹介します。

では、次回の記事、ASMR用おすすめマイク18選の徹底分析もお楽しみに!

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