dooooインタビュー。“人肉MPC？CreativeDrugStoreのDJ？” ９枚のヴァイナルと使用機材でアーティスト像を紐解く

CreativeDrugStoreのライブについて

ー前の話ですが８月のフジロックのライブ、非常に盛り上がってましたね。

doooo 僕ら自身も相当楽しんでました（笑）。MCの皆もクラブで遊んでるノリでDJブース来てくれてワイワイやったり。ライブ直前にROLAND SP-404のアサインしてる音教えてたから、みんなもバシバシ押したりとかもしてて（笑）。

ーライブ冒頭でdooooさんのDJオンリーの時間がありましたが、当日見ていてとても興奮しました。

doooo そこは、SERATO Serato DJ Pro用の青いコントロール・バイナルを乗せたアナログ・ターンテーブルのTECHNICS SL-1200MK3を２台とDJミキサーのPIONEER DJ DJM-S7を使ってジャグリングとか、そういったパフォーマンスをしていましたね。サイドにはシンセ／ボコーダーKORG MicroKorg XL、タッチすることでエフェクト操作ができるKORG Kaoss Pad KP2、そして人肉MPC（MPC2000XL）を置いていました。なのでMPC2000XLを叩いたり、ボコーダーを入れてみたりしました。

ーKORG MicroKorg XLにはさまざまな音色が入っていますけど、お気に入りとかはあったりしますか？

doooo 80sなムードの音色が本当に好きなので、この中だと“VOCODER”のカテゴリーにある“A-48VOC 5TH”とかが好きですね。当日は実際にボコーダーも使いましたが、Serato DJ Proから流していた同期の中でいろいろなボコーダーの音を幾つも重ねていました。ライブ会場で、マイクロコルグに付属されているマイクをそのまま使うと周りのノイズとかが入ってしまうので、マイクを手で抑えたりして鳴らしましたね。

ーdooooさんのDJプレイの後はMCの皆さんと本格的にライブがスタートしますが、それはCDJで？

doooo そうですね。人肉USBの中に入ったセットをPIONEER DJ CDJ-2000NXS2へ入力して再生して、すでにセット・リストの一部はミックスしていたので、ミキサーPIONEER DJ DJM-900NXS2のフィルターなどの操作をしていました。

CreativeDrugStoreセット・リスト（フジロック2022）

ーセット・リストはどのように決めたのですか？

doooo 全員で自分の曲の中からやりたいものを出して、それから並べ方も皆で意見を出し合いながら決めました。その中で普段のクラブのノリも出したいなって思ったので、前半にクラブのようなDJミックススタイルで曲をかけたり、リミックスも用意しました。

ー普段クラブでライブをする際と同様に？

doooo クラブでライブするときもやったりやらなかったりですが、皆クラブでDJするとき用のリミックスを持ってたりするので、その要素も面白いなと思いみんなで話してセットに入れました。

ーどのようなエディットをしましたか？

doooo ちょっとアレンジを加えたところもありますし、M④「All I Want (feat. in-d)」からM⑤「Anchovy (feat. どんぐりず)」のミックスでは鍵盤のパートだけ先に聴けるようなエディットしたりしています。

ーレーベルSUMMITの「Theme Song」にもエディットを？

doooo 以前までのイベント用で作ったものを使っていて、アレンジを加えるなどはしていませんが、CDS（CreativeDrugStore）でやるときは順番を4人用にしないといけないので調整はしています。今回はBIMの後にin-dがラップするところで1回止めてタメを作ってワクワクするポイントを作りました。

ーdooooさんはメンバーの中で一人だけビート・メイクとDJ専任ですが、皆で居るときはどのような役割をしていますか？

doooo 皆の役割とDJの役割は明確に違うので、話しやすいことはあるんじゃないかなと思います。個人的には音楽でも音楽以外でも、僕は飛び道具っぽいところがあるのかなと思います。あと、僕以外の皆は一緒に住んでいた時期があるんですよ。ですので、もしかしたら皆より客観的にグループを見れるかもしれないです。

ー年齢が上だとお兄ちゃん的な役割になる？

doooo いや、無いです。歳だけ上の人ですね（笑）。皆、めっちゃいじってくるので。

ーdooooさんの２nd『COLORFUL』でも、CDSの皆さんがフィーチャリング・ゲストとして参加していますが、制作方法の大枠は同じ感じでしたか？

doooo 細かいところは人や曲によって変わりますが、基本的な流れはそうですね。まずはこのMCのイメージを大切にしてビートを作って、ラップしてもらいつつ、相談して作りました。

MCそれぞれの相性の良いビート

ーdooooさんから見た、メンバーそれぞれの相性の良いビートを教えてください！ まずはBIMさんから。

doooo BIMはどんなビートでも、何でもできると思います。BIMとはイベントでバックtoバックでDJする機会があったり、そういう時間からもいろいろな音楽に興味と理解があるって感じるんです。あと、常日頃から分け隔てなくいろんな人と遊んでるし、僕の兄や友達ともいつの間にか仲良くなってる。そんな人柄が曲の格好良さ、豊かさにも出ていると思います。

ーin-dさんはいかがですか？

doooo 僕は90’sや00’sのテイストがあるヒップホップが合うと思っています。in-dが生み出すパンチライン大好きなので、僕が1番聴いてた年代のテイストのビートでそれ聴きたいなと（笑）。in-dは神奈川県・藤沢市出身で、地元の先輩達からも多くの影響を受けてきたと思うんです。僕も地元から受けた影響が多くあるので、そういう話よくしてます。

ーJUBEEさんは？

doooo JUBEEは今の彼を見てたら一目瞭然ですが、ミクスチャーのテイストがある曲が合うと思います。JUBEEとは彼が好きなDragon Ashだったり00年代初頭に流行った服やカルチャーの話をよくするのですが、歳が離れてるのにこのトピックで盛り上がれて楽しいですし、強いリスペクトを感じます。「Sunny Day (feat. JUBEE)」でも僕の青春時代ど真ん中のサウンドを使って雰囲気を作っていきました。先日リリースされたAFJBのアルバムもソロの曲もすごく格好良いので、DJでもよくかけてますね。

ー最後にVaVaさんはいかがでしょう？

doooo ビートも、ラップも、ゲームも何でもできるとんでもないアーティストだと思います。どれも細かいところまでこだわって作っていて、自分の色をバチッと出して格好良いモノを作れる人だなと思います。そんなVaVaちゃんは自分が作ったビートでラップするのが合うのではないかと思います。本当に格好良いので。

ーフジロックでもVaVaさんのマイクだけずっとオートチューンがかかってましたね。

doooo オートチューンを使う機会ってほぼなかったから、入れ忘れちゃったりすることもあるんですけど自分で見てくれたり合図くれたり、ステージで楽しみながらそういうこともできる男です。

ーVaVaさんもdooooさんも音にこだわって、コツコツ努力する感じ？

doooo 僕は地道にコツコツ物事を進めていくタイプで、あまり見えませんがCDSのメンバー皆もそういう部分があるなとは個人的には思ってます。ただあまりそういうところを露骨に皆さんには見せないですね。あと僕は瞬発力が無いのでできるだけ準備はしようと思ってます。

ーお互いのことを深く理解し合っているのが伝わってきました。CDSは今年10周年ですが、振り返ってみていかがですか？

doooo 確かに長い期間ではあるんですけど、もう10周年なんだなって感じです。この10年で皆がそれぞれかなり忙しくなって、目まぐるしい日々を送ってますね。10周年ってことでコラボやイベントなどもやっているから集まって話す機会も増えたので、メンバーの仲は今年が一番良いと思います（笑）。

ーほかの曲の制作は？

doooo まだハッキリ言えませんが、皆で何かやりたいですね！