Text:plug+(ぷらぷら)編集部
目次
原口沙輔
【Profile】トラック・メイカー/音楽プロデューサー/作編曲家。以前はSASUKE名義で活動していた。2月に開催された『ボカコレ2024冬』では、楽曲「イガク」がランキング一位を獲得。
●楽曲制作のときに、あなたはヘッドホン派? それともイヤホン派?
どちらかと言うと、イヤホン派ですかね。ここ数年さまざまなヘッドホンを試しましたが、最終的にはなぜかイヤホンへ行き着きました。細かな音を一番耳の近くで聴いている感じがするからかもしれません。ずっと使っていると耳を悪くする可能性があり“まずいな……”と思いつつ、イヤホンでないと落ち着きません。イヤホンで音を確認していて“どうしても違うオーディオで聴きたい”、“長時間音の調整をしていても納得がいかない”というときには、ヘッドホンに切り替えてバランスを取っているので、イヤホンのみで大丈夫ということでもありません……。ただ、楽曲制作のほとんどはイヤホンで完結しています。
●実際に使用しているヘッドホン/イヤホン&選んだ理由
APPLE EarPods with 3.5 mm Headphone Plug(以下、APPLE EarPods)です。私はモニター機器に関して、リスニング用というよりも“平均的な音”を求めており、その基準において、このAPPLE EarPodsはいかにも平均的、一般的な音です。
そういった分かりやすい理由もあるのですが、もう少し音の専門的なお話をすると……。大体のヘッドホンはどれだけ平均的でフラットな音像の物でも、携帯やモニター・スピーカー、ライブでの音響や車など、さまざまな場所で聴くときに、どうしても“鳴らしたい音”とは違う音の聴こえ方になってしまうと思います。なんならヘッドホンを変えるだけでも違いが分かりやすいと思うので、ぜひ手持ちの物があればお試しいただきたいのですが……。そういった場合、大体はさまざまなオーディオ機器で聴き比べをしつつ、どこで聴いても良い感じになる妥協点を探すことになります。
しかし、このAPPLE EarPodsで音を仕上げた場合、どの媒体に切り替えても、意図している鳴り方をするのです。実際には高級オーディオ機器で再現できる帯域を使い切れていなかったりするのかも知れませんが、僕は自分の意図している音をどうしても鳴らしたいので、それを優先した結果、APPLE EarPodsに落ち着きました。現在APPLEはAirPods(無線イヤホン)に力を入れており、EarPods(有線イヤホン)の生産ロットが減っているそうなので、見かけるとつい買おうとしてしまいます。うちにはストックがあるので安心。
みきとP
【Profile】2010年3月よりネットのミュージック・シーンにて活動を開始。「ロキ」や「少女レイ」などのボカロ曲を生み出し、アニメの主題歌やミュージカル、アーティストへの楽曲提供も数多く手掛ける。
『 返信願望 』初音ミク ver.
https://www.youtube.com/watch?v=M7WxYUy13Ac
●楽曲制作のときに、あなたはヘッドホン派? それともイヤホン派?
音楽制作では、ヘッドホンを使用しています。長年使用し、信頼しているヘッドホンです。イヤホンはライブのモニター用として使っています。楽曲制作でイヤホンを使用するならカナル型のものを選びたいのですが、長時間付けていると自分の体質的に外耳炎を起こしてしまうので、ヘッドホンを選びがちです。
●実際に使用しているヘッドホン/イヤホン&選んだ理由
SONYのMDR-CD900STをUMBRELLA COMPANYがカスタムしたモデルである、Perfect Symmetry Modです。このカスタム版は、通常のMDR-CD900STよりもレンジが広くなっているようです。簡単に言えば、“ザ・モニター・ヘッドホン”なオリジナルよりも、少しオーディオ・ライクになっている気がしてます。とはいえ脚色感もありませんし、聴き疲れもありません。低音/高音ともに、オリジナルより出ています。詳しい言語化ができるわけではないですが、これを使って多くの楽曲を作っており、自分の中で実績を積み上げてきてるので、“まぁ間違いない”と思っています。
南ノ南
【Profile】 2019年に「人間バイバイ」でボカロPデビュー。P名はセカセカP。『ボカコレ2022秋』では楽曲「星界ちゃんと可不ちゃんのおつかい合騒曲」がランキング二位に入賞。
●楽曲制作のときに、あなたはヘッドホン派? それともイヤホン派?
基本はヘッドホン派です。打ち込みや2ミックス、マスタリングなど、DAWでの制作時にはヘッドホンを使用します。イヤホンは普段使いをしているので、ヘッドホンを装着すると、“PCで作業するぞ〜!”という気持ちになりやすいです。ただ、書き出した音源の鳴りを確かめるためにモニター・スピーカーやワイアレス・イヤホン、スマホのスピーカーで確かめたりもするので、“楽曲制作中は完全にヘッドホンだけしか使わない”というわけではないです。
●実際に使用しているヘッドホン/イヤホン&選んだ理由
ROLAND RH-300です。約2年前から使ってる今の相棒です。このヘッドホンで初めて完成させた楽曲が「可不ちゃんのカレーうどん狂騒曲」であり、そのほかにも今まで数多くの楽曲を作ってきたので、とても感慨深いです。RH-300は、初めてDAWで楽曲制作したいという方にもかなりオススメです。16,000~19,000円くらいの値段で、比較的安価で購入でき、音自体も全体的にくっきり聴こえるかつ、音の定位感も確かめやすい。“かなり制作しやすい”と感じています。RH-300を使う前には、より少し高価なものを使っていたのですが、それに負けず劣らずのヘッドホンです。ぜひ使ってみてはいかがでしょうか?
追伸:デザインも“シンプル・イズ・ザ・ベスト”で、サイドの『Roland』のロゴも好き好き大好き
wotaku
【Profile】2017年からボカロ曲の投稿を開始。現在は歌い手やVtuberなどに楽曲提供をしている。残虐な音楽と、萌え系の音楽が好き。代表曲に「シャンティ」、「ジェヘナ」、「snooze」などがある。
●楽曲制作のときに、あなたはヘッドホン派? それともイヤホン派?
ヘッドホン派です。基本的には外出せずに一日中パソコンの前にいるので、制作でもリスニングでも、イヤホンを使うことはほとんど無いです。楽曲制作ではスピーカーを使用するのが理想的だと思っていますが、環境上あまり鳴らせないので、“イヤホンよりはスピーカーに近いかな”と思い、ヘッドホンを使っています。
●実際に使用しているヘッドホン/イヤホン&選んだ理由
BEYERDYNAMIC DT 1990 Proです。楽曲制作とリスニングの両方で使っています。ネットで評判が良かったので購入し、スピーカーで聴く音に近いような気がしていて、気に入っています。私はいろいろなジャンルの音楽を制作するのですが、このヘッドホンはどの曲も自然に聴くことができると思います。文句なしに素敵な音です。レコーディング時のモニターでは、SONYのMDR-CD900STを使用しています。
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