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基礎から練習

構成・編集:plug+編集部

「作曲」するのに必須なスキルは、「楽器が演奏できて、楽譜の読み書きが できる」という時代から「最低限パソコンが扱える」時代に変わりました。なんなら「タブレットやスマホが扱える」ところまで敷居が下がってきたのです。 総国民ミュージシャンであり、作曲家時代に突入です。

楽器を演奏しないのであれば、訓練された音感や培ってきたセンスがないこともあるでしょう。そんなユーザーでも作曲ソフトの機能を借りて、作曲の導 入や体験、トライができるように……という思いで、本書を書きました。

いわずもがな作曲というものは、あまりにも広大すぎます。本書の目的は、 ドラム、ベース、ハーモニー、そしてメロディという、最小の「1 人バンド」で まずは音楽の骨組み、スケッチを作ってみよう、というところにあります。(書籍まえがきより)

※本記事は、『できるゼロからはじめる作曲超入門』(リットーミュージック刊)から一部を抜粋して、再編集して構成しております。<メロディ、リズム、ハーモニー>の意味と役割を理解した上で、実際にそれらを曲に仕上げていくテクニックのみを抜粋して掲載します。一部、説明が不足する場合もありますが、なるべく、実践を優先する意向で掲載しています。「試して>学ぶ」を優先していますので、順番に読み進めてみてください。(plug+編集部)

「ドラム」の仕組みを知ろう 

キーワードドラムセットキックドラムスネアドラムハイハットシンバルクラッシュシンバルタム

作曲のリズムの手掛かりとして、ドラムのパートを用意してみます。まずは、基本的なドラムのリズムパターンを知るために、ドラムセットの仕組みを覚えておきましょう。このドラム、実はいろいろな楽器からできています。 

ヒント! 
●ドラムセットの三種の神器は「キック、スネア、ハイハット」です。この3つの組み合わせで、基本的なドラムパターン(ビート/リズムパターン)が作られます。 
●クラッシュシンバルは、多くは段落の冒頭のアクセントとして用いられます。 
●タムは、段落の変わり目の直前、小節後半のアクセントとして用いられます。 

実践:ドラムトラックの音色を確かめる! 

DTMソフトで、ドラムトラックに空イベントを作成し音色を確認しよう 。

典型的なドラムトラックでの打ち込み画面 

リズムパターンを覚えよう! 

キーワード8ビート16ビートシャッフル

のことを「ビート」といいますが、ポピュラー音楽では、ドラムセットで演奏される基本的な刻みのリズムのパターンも「ビート」と呼びます。 

「8ビート」と「16ビート」&「シャッフル」 

いずれもドラムセットの3種の神器で構成される基本パターンです。細かなバリエーションはいろいろ考えられますが、大別してみます。ここでは初めての作曲を想定しているので、まずはロックやポップスの基本となる「8ビート」のリズムを実践してみましょう。 

◎8ビート(エイトビート) 

➡ハイハット(クローズ)が8分音符のタイミングで刻みます。 
➡スネアが2拍、4拍のタイミングでアクセントを打ちます(これを「バックビート」といいます)。 
➡キックが、1拍目とスネアのタイミング以外の8分音符のタイミングに配置されます。 

16ビート(シックスティーン・ビート) 

➡ハイハット(クローズ)が8分音符(もしくは16分音符)のタイミングで刻みます。 
➡スネアが2拍、4拍のタイミングでアクセントを打ちます。 
➡キックが、1拍目とスネアのタイミング以外の·8分音符か16分音符のタイミングに配置されます。 

◎シャッフル 

➡ハイハットとキックが、3連符(1拍を3等分したタイミング)の「1」と「3」の位置に配置されます(1小節が12 個に分けられるグリッドで、「8ビートシャッフル」といいます)。 

➡8ビートと16ビートの関係と同じく、1小節が24個に分けられてハイハットとキックが6連符の「1と3、4と6」に配置される、16ビートシャッフルもあります。 

以上が基本となるビートのタイプですが、これらが組み合わされた複合的なビートパターンも存在します。 

ヒント!
●ここでは初めての作曲を想定しているので、まずはロックやポップスの基本となる「8ビート」のリズムを使用してみましょう。 

8小節分のドラムパターンを考えよう 

キーワードタムフィルイン

4小節のリズムパターンをさらに繰り返して、8小節分のドラムパートを構成してみましょう。これでリズムのドラムパートの準備は整います。 

8小節のパターンは、4小節のパターンをもう一度繰り返して構成されることが多いです。以下のように4小節目の最後のフィルインは、スネアドラムによる8分音符2つだけのシンプルなもの。これは「1拍分」のフィルインです。 

①8小節目の最後のフィルイン 

8小節目は全体の大きな区切りになりますので、先ほどより「フレーズが長め・刻みが細かな」フィルインが考えられます。まとまった長さのフィルインなどでは「タム」を交えて使うこともあります。フィルインの長さも、2拍間から1小節間全体、あるいは、それ以上のものも考えられます。 

②スタートを印象づける 

さらに8小節分の最初の1小節1拍目では、フレーズのスタートを印象づけるアクセント(マーキング)として「クラッシュシンバル」を鳴らすことが一般的です。 
 

実践:8小節のドラムパターンを作ってみよう

⇒先に作成した「8ビート」のリズムパターンの4小節を、まるごとコピーして5小節目にペーストします 

ピアノロールのグリッドを16分音符に変更して、8小節3拍目表に「(低めの)フロアタム」(♪ドン)、裏2つ16分音符で「スネア」(♬タカ)、さらに4拍目表に16分音符2つ「スネア」(♬タカ)、裏に「(高めの)タム」(♪トン)を配置します 

8小節目の3~4拍目にかけて、はっきりとした2拍分のフィルインができました 

実践①:冒頭部分にクラッシュシンバルを追加しよう
⇒1小節1拍目の「ハイハット」を「クラッシュシンバル」に変更します(4分音符の画像&シャーン) 

8小節のドラムパターンにフレーズ開始のアクセントができました 

ヒント! 
フィルインのときにはハイハットなどの刻みはストップする。クラッシュシンバルはキック、またはスネアと同時に打つなど、ドラムの一般的なルールも知っておくとよいでしょう。 

リズムを更に知りたい人へのオススメ記事&書籍 

書籍『音符が苦手でもOK!「リズムの読み方」の基本』
「楽譜のリズムを読む」ためのビギナー向けのWEB基礎講義。リズムって難しいというみんなさんに、書籍『できるゼロからはじめる楽譜&リズムの読み方 超入門』(リットーミュージック)で、“覚えやすい!”と好評を得ている、「ラーメン」「カロリー」「カレー」・・・の学習法を解説します。音声ボタンも掲載したので、一緒に口付さみながら覚えてみましょう! 

DAWで学ぶリズム打 ち込み入門 (リットーミュージック)

Cubase / Studio One / MIDIデータで実践!DTMer必携のリズム・パターン集 
Watusi(COLDFEET)(著) 
定価 2,200円 (本体2,000円+税10%) 

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