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テキスト:夏吉ゆうこ(Arika)

声優として活動し実績を重ねる、夏吉ゆうこさん。ギタリスト・作曲家としてさまざまなプロダクションを行う、大和(やまと)さん。多様なバックグラウンドを持つ二人がアーティスト表現として作品を作る音楽ユニット「Arika」。plug+では二人の音楽制作の現場をプロダクション・ノートとしてお届けします。(plug+編集部)


Arikaのボーカル、作詞担当 夏吉ゆうこです!
普段は声優としてお仕事しつつ、好きな音楽を聴き、好きなものを食べで飲んで、一生懸命生きています。

そんなふうに生きていたら運良く『アサルトリリィ』という作品でご一緒していたタノウエ氏が「好きに音楽やりませんか!?」と言ってくれ、
何度かキャラソンなどでお世話になっていた大和さんを改めて紹介してもらい、あれよあれよと一曲出来てしまいました。『暁光』です。かっこよくてすごい。陳謝…


Digital Single「暁光」
2022.09.01 配信

相方・大和さんがはちゃめちゃ本格的な制作過程を書いてくれたあとは、
音楽制作ド素人の夏吉はどうやって歌詞を書いているの〜〜〜??という記事になります。

まずは、私の世界観を構成している大事なものについてお話していこうと思います、よしなに!!!

私は自分の考えたことを文字に起こす事が好きです。

学生時代、インターネットのお友達と文通しまくり。イラスト、小説を書いて送り合い、
学校のオタク友達とは好きなアニメや音楽を布教し合うため、交換ノートを回しに回しまくり、
喋っているより何かしら書いて読んでいる時間の方が長いのでは??という生活を送っていました。

なので詞を書くということにハードルは感じなかったのですが、
交換ノートで練りに練った推薦文を書き、読んだ人を「絶対に沼に落としてやる」という気概を培ってしまったので、私は歌詞の上がりがスペシャル遅いです。

今ではだいぶ軽減され、試し書き段階で大和さんたちに投げてみるという事が出来るようになってきました。

そんな中で、1番仲が良かったオン友に教えてもらったのが、長野まゆみさんの小説でした。
幻想的な世界観、美しい言葉選び。こんなに綺麗な文章を生み出せる人がこの世にいるんだと衝撃を受けました。

そして、これもまたオン友に布教してもらったのが、
坂本真綾さん、天野月さんの音楽
真綾さんの歌詞、大大大、でぇすきなんです。

ふんわりふんわりな時もあれば、ちくっと胸に残るワード。この曲の登場人物はきっとこんな事があって、こんな事を想って、というのが絵で伝わるような。
天野さんの音楽と歌詞はもう、ギャリギャリ心を抉る、強制的に脳に侵食してくるような重たさ、仄暗さ。

音楽作りに関するところでは、この御三方が私を構成する要素かも。

さて、時を経て自分で歌詞を書く日が来たわけですが、4曲一組でEPを作り、全体を通したテーマを持ったものにする事に。

まず『暁光』のデモが上がり、歌詞をつけ始めました。
ドラマチックでドスっと暗い曲調だけれど、希望はある歌詞にしたいと大和さん。

夏吉頑張った。頑張ったけど…
書いている当時色々仕事やらなんやら立て込みすぎて鬱鬱鬱、そして言葉で希望を示せるほどの余裕が当時の自分には無ェ!

それでも締め切りは来るし、記念すべき1曲目、手は抜きたくない…とかりかりかりかりしていたら思いつきました。

「希望は書けないけど、等身大の今のでろでろしたものを歌詞に込〜めよッ」

そしてその“等身大”を助けてくれたのが、今までに好きになった神様たちなんですよね。
「繻子(しゅす)」なんかは、長野さんの影響を受けたチョイスかもしれません。
ありのままを書いてみようという勇気は真綾さん、
「鋭な声」「流刑」とかエッジの効いた言葉を入れてみようという発想も、天野さんからもらったものです。

そうしてラスサビ前まで書き上げ、最後の最後、まだでろでろの中にいる自分に向かってエールを送るつもりで

何があっても夜は明けてく 白々

とつけたらあら不思議!
なんか最終的には夜が明けた!希望が見える歌詞になったよやったね!

そうすると明確に「この曲は夜が明けて朝になり、辛い中でもまた一日を始めよう」というメッセージが込められた訳ですね。

そこまで来てやっと「朝・昼・夕・夜」の4曲で、翻弄されながらも生きる人間の一日を表現しよう。と私の中で決まりました。よしよし。

今回のEP制作において、好きな音楽や作品が自分の土台を作っているんだな〜と実感。
これからはもっと視野を広げた歌詞も書けるようになりたいので、好きなものを好きになる、インプットする作業を大事にしていきたいですね!

そんな所で今回はこのあたりしようかと思います!
次回は4曲目の制作過程をお話しできるといいなあ〜〜では。


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