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“週間ボカロ人気曲”まとめ通信！

“週間ボカロ曲”まとめ通信〜実験的で美しいボカロ曲5選（フロクロ／r-906／でるた / Δ／ごめんなさいが言えなくて／鶴三）2023年3月17日〜3月24日

2023.03.24 UP

Text：Mizuki Sikano　※メイン画像引用元：YouTubeサムネイル（リンクは文末に）

今週よく聴かれたボカロ（広義）曲をまとめてお送りします。紹介するのは、2023年3月17日〜3月24日の1週間でニコニコ動画、YouTubeなどの動画プラットフォーム上に投稿された注目のボカロ曲たち（編集部調べ）です。愛を込めて、毎週通信！

今週リリースでよく聴かれたボカロ曲は？

今週リリースでよく聴かれたボカロ曲は？

plug+編集部のMizuki Sikanoです。また今週リリースされたボカロ作品を紹介するのですが、その前に今週（2023年3月17日〜3月24日）は、ボカロ関連で以下のようなニュース・トピックがありました！

・3月1日から「音楽的同位体狐子楽曲コンテスト」開催中
・ボカコレTOP100ランキング1位はまらしぃ×じん×堀江晶太（kemu）「新人類 feat.鏡音リン」
・ボカコレTOP100ランキング2位はいよわ「一千光年」
・ビルボードのボカロ・ランキングでいよわ「一千光年」が初登場首位獲得……etc.

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　　　 #ボカコレ2023夏
✨ 𝟴/𝟰(金)～𝟴/𝟳(月) 開催予定 ✨
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続報は公式サイトやTwitterで発表予定！
フォローしてお待ち下さい🙇‍♀️

また夏に皆さんに会えるのを
楽しみにしてます😆

⏬公式サイトhttps://t.co/hERD9WrwuK pic.twitter.com/JOWDZYlb5x
— ボカコレ【公式】＠2023春ありがとうございました！ (@the_voca_colle) March 21, 2023

ということで、今週は「ボカコレ2023春」があったので、今週はとんでもない量のボカロ曲が投下されたわけです。編集部でも新作のボカロ曲たちを浴びるように聴いていました。

ということで、この連載いつもは“今週よく聴かれたボカロ曲”というのをテーマに取り上げるのですが、せっかくなので今週はボカコレ2023春に参加していたボカロ曲から編集部セレクトでお送りします。

テーマは“実験的で美しいボカロ曲5選”です。では、５曲ご紹介します(｀_´)ゞ

フロクロ(Frog96)「ビビビビ／星界」

あえての不安定が美しい、ミステリアスが魅力の楽曲。

ジャケットに“予測できない次元の超越”と書かれている通り、リズムの展開の仕方などが独特でミステリアスな要素が多い。時折バイノーラル・プラグインで操作しているような複雑なパンや、歌詞に呼応してオケが動くようなサウンドが登場するなど、フロクロさんが美しいと思うサウンドを可能な限り詰め込んでくれたのかなと思える音楽に仕上がっている。突然ベースが大きくなったり、音場の入れ替わり方がちょっと心配になるほど不安定になるときがあるのも、普段のフロクロさんを知っているからこそ堪らない表現。

r-906「Catchy !? / r-906 feat.Ci flower」

高速楽器フレーズとウェットな効果音で快感要素を用意。

r-906は高速楽器フレーズを組み合わせ疾走感のある展開を作り、そこに聴者を鼻歌中毒にする病みつき歌メロをマッチさせるスタイルでノリを作るボカロPだと思っているのだが、今回もその手腕を存分に発揮。ドライなバンド・サウンドをフィーチャーしながら、ウェットなサンプリング音なども差し込み快感の餌を与えてくれるのも、Pのホスピタリティを感じる部分。

でるた / Δ「カオスオブザイヌ／ flower・可不」

デカくなった犬とジャジーなヒップホップ・ビートの融合。

1990年代のリバーブたっぷりのシンセとボイス・サンプリングなど、UKエレクトロなどで聴けるようなサウンド要素から始まり、ピアノのフレージングとブラスを機にジャジーなムードのヒップホップ・ビートに移行する。デカくなった犬に関する不思議な歌詞、サイケデリックな手描きイラストのMVまで、何だかお洒落に思えてくるセンスが光ったサウンドだった。

ごめんなさいが言えなくて「そして「　　　」に手を振った / 鏡音リン + 結月ゆかり」

そして「　　　」に手を振った / 鏡音リン + 結月ゆかり – またごめんなさいが言えなくて切ない世界を生きる

ボカロの超高音と異世界感漂うサウンド・スケープが楽しめる。

歌い出しから最後まで、ボカロの超高音を盛り込んだ広い音域のメロディと、無機質な発音、オーディオ・カット特有の質感などを生かし、人間的とは真反対の異世界感が漂う楽曲に仕上がっている。スペイシーな効果音や、淡々と打たれる四つ打ちキック、実は細かく配置が変わるボーカル・ミックスなどで、この世界観を作り上げるためのさまざまな工夫がスルメ的に楽しめる。

鶴三「オリジナル／鶴三 feat.鏡音リン」

オケの実験性で心を揺さぶり、キャッチーな歌メロで離さない。

ルートに着地しそうなところを着地しないコード進行、ピアノ演奏のレベルが高く複雑さが極まったコード、ブレイクで転調を迎えるところから戻ってくるところの勢いなども良く、2分30秒とは考えられないほど時間があっという間に過ぎてしまう。展開で聴者の心を巧みに揺さぶる実験性があるのに、キャッチーな歌メロで心を離さないようになっているのは本当に巧み。どんな計画でこの曲を作り上げたのか、お聞きしてみたい。

来週もまた来てね！

引用元①：https://www.nicovideo.jp/watch/sm41958959
引用元②：https://www.youtube.com/watch?v=QWFw2ueFdnQ
引用元③：https://www.nicovideo.jp/watch/sm41953032
引用元④：https://www.nicovideo.jp/watch/sm41940982
引用元⑤：https://www.youtube.com/watch?v=zMed0jTVn7s

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プロフィール

Mizuki Sikano／鹿野水月

plug+（ぷらぷら）プロデューサー

ボカロ曲研究家。ライター／DJ／バンドマン／ギャルとしての学生時代を経て、リットーミュージックに新卒入社し、書店営業1年、サウンド＆レコーディングマガジン編集部に3年在籍、2022年からplug+のコンテンツ・ディレクションを担当。ボカロ曲以外に、テクノ、邦ロック、UKロック、UKハウス、北欧ディスコ、フレンチ・ポップを好む雑食。