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テキスト:宮川麿 イラスト:mucha

DTMに関する初心者向けのお悩みをサウンド・コンポーザーとして活躍する宮川麿さんが、Q&A形式で答えていくコーナー。連載でさまざまなお悩みを解決していきます!第8回は作曲家志望のカワウソから「楽譜が読めなくても曲は作れますか?」という質問です。

楽譜は書けないけど作曲したい人居ますよね?

あぁ〜、楽譜ってオタマジャクシがいっぱいで、真っ黒で見ているだけで目眩(めまい)がしてきた……。楽譜が書けなくても曲って作れるものかなぁ?

宮川麿(みやがわ・まろ)

うんうん、分かります。お恥ずかしながら僕も楽譜は結構苦手です。ぶっちゃけ、楽譜が読めなくても曲は作れます!

そうなんですか。私本当に楽譜は苦手で……って、誰!?

宮川麿(みやがわ・まろ)

作編曲家のMaroです☆ 話を戻すと、僕は仕事の関係上楽譜の中でもメロ譜やリズム譜は読めますが、どうしてもピアノ譜を見ると悲しい気持ちになります(笑)。仕事をしていく上で、楽譜を作ったり、それをミュージシャンに演奏してもらうために必要に迫られて覚えたわけですが、プロ駆け出しのころは全然読めませんでした。

私は作曲家志望のカワウソです! そっかぁ、でしたら私も楽譜を読むのは諦めます!

宮川麿(みやがわ・まろ)

ちょっと待って! ただ読めるようになるともっと音楽が楽しくなりますし、特に自分の作った曲をミュージシャンに演奏してもらう際には必須ツールになってきますよ。もし将来的にプロの作曲家、編曲家を目指すのであれば覚えておいて損はないと思います!

何だかんだで楽譜が読めると良い理由

宮川麿(みやがわ・まろ)

楽譜って先人の残してくれた大きな遺産で、あれ1枚で曲のメロディや伴奏構成、テンポ(BPM)が丸分かりっていうスーパー・ツールだと思うんです。実際に音楽を聴かなくてもどんな曲か分かるという。なので、楽譜が読めるというだけで曲の理解をもっと深めたり、音楽家同志の会話をスムーズにしたりすることが可能です。

確かに、音楽の友達は増やしたい……やっぱり楽譜を読めるように練習しておきます!

横からすみません! plug+には簡単なリズムの読み方を教える記事を作っているので、良かったら覗いてみてください!

宮川麿(みやがわ・まろ)

あと簡単なコード理論は学んでおくと良いかもしれません。“自分が弾いているコードがよく分からない”という方が結構多いのですが、少しコードの種類を学ぶだけで楽曲のバリエーションも広がっていきますし、より音楽の幅を広げることができます。

コード理論に関する書籍を読んでみるという手も

例えば、清水響著『DTMerのためのコード入門』

<書籍紹介>音楽理論書を買ってみたものの、五線譜や鍵盤楽器が苦手なため、なかなか解説が頭に入ってこない……という経験を持つ人もいるのではないでしょうか? 音楽理論は、自分で演奏して音を出してみることで腑に落ちるもの。本書はDTMに取り組む方に向けて、全編でピアノロールを使用して解説を行いました。五線譜を眺めたり、人が作ったMIDIデータを再生したりするだけでは分からなかったコード理論も、自分の手で打ち込んでいくことで深く理解することができます。あらゆるジャンルの作曲、編曲に役立つコードについて、今こそ基礎から身につけていきましょう!詳細はこちらから。

作曲家・麿先生が楽譜やコードに慣れた方法

最初は楽譜で“歌メロ”を読んでみよう!

ところで麿先生も“楽譜は苦手”って言っていたけれど、どうやって慣れていったのですか?

宮川麿(みやかわ・まろ)

もともと吹奏楽出身で管楽器を演奏していたので、譜面は身近な存在でした。けれど管楽器とピアノは譜面の構造や読み方が違う! そのため、結構苦労しました(笑)。譜面恐怖症の方は情報量が多いだけで頭痛がしてしまうと思うのでまずは、“歌のメロディ”の楽譜を読んでみましょう。音域もそこまで広くなく、リズムも分かりやすい、かつ現場での実用性が一番高いです。僕は自分の曲を譜面で起こしてひたすら読む練習をしてました。

歌のメロディならカラオケ感覚で読めそうです!

宮川麿(みやかわ・まろ)

最初はゆっくりドレミの位置を確認して、慣れてきたら曲を聴きながら一緒に追います。“ドーレーミー”みたいに声を出しながら読むのがおすすめ。譜面でメロディも学べて、一石二鳥です♪ 歌メロが奇麗に読めるようになったら、今度はストリングとか少し音域が広い楽器にチャレンジします。ここまで来ると、ト音記号の譜面は大体読めるようになってきます。今はスコアとかもあるので好きな曲のスコアを読むのもおすすめです。最初は大変ですが、少しずつ根気よく頑張りましょう♪

麿先生もコードは書籍を読んで勉強した

コード理論も詳しくないのですが、どのように覚えましたか?

宮川麿(みやかわ・まろ)

僕は高校生のころ、“ドミソ”がメジャー・コードで、“レファラ”がマイナー・コードというのが理解できませんでした(笑)。全部白鍵で横並びなのに何故なんだと。当時は黒鍵とか半音のことが頭に無かったんですよね。今考えると理解できないことが不思議なんですけどね……

鍵盤を見てみると“ミとファ”や“シとド”の間には“黒鍵がない”。そのため、“ドとミの距離”と“レとファの距離”には半音分の差が生じる。そのため響き方も異なる
宮川麿(みやかわ・まろ)

昔は情報が少なくYouTubeもなかったので、僕は楽器屋さんで理論書入門とか作曲の初歩とかの本を買い漁って読んでいました。まずは調(キー)を学んで、キーの中で使えるコードを覚えて、T(トニック)、SD(サブドミナント)D(ドミナント)を覚えて、実際の曲のコード進行を耳コピして分析して、知識を当てはめていくのをよく繰り返し練習していました。

まとめ:音楽理論の勉強には実際の鍵盤を使ってみよう!

宮川麿(みやかわ・まろ)

理論って実は自然に使っていたりすることが多いので、後々“これはこういうことだったんだ”って気付きがあったりするんですよね。そうなると理論が少しずつ楽しくなる!(笑)。僕はギタリストだったのでドレミが苦手で理解するのは時間がかかりました……今思い返すと鍵盤で音を鳴らしながら学んでいれば理解も早かったと思います! ギターは楽器の構造上ドレミの位置の把握にも運指練習が関わりますが、鍵盤は目で見て分かりやすく音も簡単に出ます。特にギタリストは鍵盤でドレミを覚えることを是非おすすめします! 最近はWebでも簡単に説明してくれてたりするので、良い時代になりましたね♪

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