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※メイン画像引用元:YouTubeサムネイル(リンクは文中)※歌詞引用元:https://piapro.jp/t/_Yii

ネット発の歌い手というだけでなく自らボーカル・ミックス、エフェクト・プロセッシングも行う美的センスとこだわりの持ち主、超学生(読み:ちょうがくせい)。そんな彼ならではの視点で“ネット発アーティスト”を紹介し、そのサウンド的に魅力的な部分を語ってもらう。彼の脳内で日常的に行われている音楽的研究を通して、歌と音楽制作の楽しみを新発見できる連載! 今月はMAISONdes「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ(feat. 花譜, ツミキ)」です。

<読者の皆様へ> これまでインタビュー形式で連載してきましたが、今月から超学生さんの書き原稿で展開していきます。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

ネット発アーティスト・サウンド解剖開始

余談:モニタースピーカーが突然壊れる

最近、モニタースピーカーが突然壊れてしまいました。2つのスピーカーのうちの片方の電源が突然入らなくなってしまったのです。しかも、そのときはワンマンライブの音源制作期間中でもあったので、大変焦りました。

修理に出そうにも、どれだけ早くても1週間以上はかかるはずなので、最初は機械に強い父に見てもらったり、自分でヒューズの交換などを試みたのですがダメでした。結果的に、“買った方が早い”ということで、前から欲しかったGENELEC 8341ARWを購入しました。代理店の方が素早く対応してくださり、大変助かりました。

個人的に同軸スピーカーを導入するのは初めてだったのですが、元々僕の部屋にはSONARWORKS SoundID Referenceというキャリブレーション・システム(編注:部屋の形状や材質などによる音の響きを測定し、どのような部屋でも原音に忠実なモニター・サウンドをできるだけ再現する音響補正システム)を採用していたこともあり、意外とスムーズに移行できました。

結局故障の原因は分からずじまいなのですが、恐らく湿度の高い環境で長時間電源が入れっぱなしだったのが悪かった(あるいは単純に寿命だった)のでは、ということになりました。新しいスピーカーが買えたので、最終的には良かったと思っています。

ついでに、4カ月前に買っていたマイクプリも届きました。それも含めて、良かったです。

今月の選曲 MAISONdes「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ(feat. 花譜, ツミキ)」

今月取り上げるのは「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ(feat. 花譜, ツミキ)」です。僕自身何故も繰り返し聴いてしまうこの曲の魅力を、サウンドという面で考察してみたかったので選びました。

これは個人的な話になるのですが、僕は普段音楽をAPPLE iPhoneで聴くことが多いんです。その理由は、モニタースピーカーやヘッドフォンは音の解像度の高さや定位が安定しているゆえ、受け取れる音の情報が多く、僕はつい音の処理の内容に耳を傾けてしまうから。そのため、純粋に音楽を楽しむ際には音の処理や輪郭は比較的聴き取りづらいiPhoneで音楽を聴くようにしています。

「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ(feat. 花譜, ツミキ)」は、まずモニタースピーカーで聴いたんです。そのときに、普段この環境では感じることのない“サウンドそのものに病みつきになるような感覚”を味わったことを不思議に思いました。それからiPhoneでも聴いて、歌声や楽曲の音楽性そのものにも素晴らしい要素があることが分かり、なお一層“音の処理”に絞って自分なりの解釈をしてみたいと思ったのです。

今回お話しする内容を4つのポイントにまとめると、
・出だしからキャッチーさと独特の中毒性が展開
・心地良いボーカルの条件
・中毒性をまとっているボーカル・ミックス
・レトロでヴィンテージさを感じさせるインスト

です。

続きは、次のページ

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